ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。今回は、42歳で電撃再婚を果たした紗栄子さんへのインタビュー。前夫と離婚するまでのいきさつを伺いました。

紗栄子さん42歳、明彦さん40歳。バツイチの紗栄子さんは最初の夫の浮気癖に悩まされ、ストレス障害で会社を辞めてある施術の資格を取得。離婚後、自分の恋愛がうまくいかない理由がその施術でわかった途端、現在の理想の夫に出会い、42歳で電撃再婚を果たす。


10年間夫の浮気に耐え続け、挙句の果てには夫が女子高生に痴漢した疑いで警察に捕まり、むなしい結婚生活から逃れるためにたった一度他の男性によろめいたら、速攻で離婚を言い渡された紗栄子さん。

 

理不尽だと思うけれど、これって夫は紗栄子さんに母親の愛を求めていたからなんですよね。両親の離婚により、中学一年生で母親から引き離された彼は、紗栄子さんに母親からは受け取れなかった、何をしても自分を許してくれて自分だけを見てくれる、そんな無償の愛を期待していたから、「ママが浮気してほかの男性に余所見するなんてありえない!!」と怒り狂ったんだと思います。

紗栄子さん=母親だったからなのか、ふたりは結婚後1年でレスになり、その代わりに手を繋いで寝ていたそう。妻には母親の役目を求め、外の女性たちに恋人や愛人を求めていた結果が、セックス依存だったのでしょうか……。身勝手すぎるけれど、実はこういう男性って結構存在しますよねえ。

紗栄子さん:彼は「離婚する」の一点張りで取りつく島もなかったので、私は仕方なく、妹の家に行きました。離婚届が送られてきたので判を押して送り返したのですが、いつまで経っても彼が区役所に提出した気配がない。


結局、1年半経っても離婚届は提出されず、その間にほかの人と付き合うと不倫になってしまうため、紗栄子さんは恋愛もできずに身動きが取れないままに。

紗栄子さん:「おかしい」と思っていたら、その後彼と私が所属していたスポーツのチームメイトに会ったときに、「そう言えば紗栄子の元旦那さん、チームメイトと付き合ってデキちゃったよね」と言われたんです。
 

離婚届も出してないのに他の女性を妊娠させちゃっただと!?

調べてみると、夫は紗栄子さんとは離婚したと言いふらして、同じチームの女性と付き合い子供を妊娠させたものの、向こうには「紗栄子とまだ籍が入っているから結婚はできない」と言っていたそう。その時点で相手の女性はすでに妊娠8ヶ月。紗栄子さんとは子作りを拒んでいたくせに……。ほんと最低……っ(涙)!!!

事実を知った周りの友人たちがキレて、弁護士に相談してくれて、ようやく離婚届を提出できることに。それでも離婚時には「お前の浮気が原因で別れるんだから慰謝料として引っ越し代を払え」と言われて20万円渡してあげたとか。

紗栄子さん:払う私もヤバいですよね(苦笑)。

さかい:それにしても、彼は一体何がしたかったんでしょうねえ。

紗栄子さん:私の存在が大きすぎて、他の男性とくっつくのは絶対に嫌だから籍を抜かなかった、って。母性への強烈な執着というんですかね。とにかく歪んだ愛情の持ち主でした。でもね、私はずっとそんな彼に対して「変わってくれたらいいな」と思っていたのですが、それは私のエゴで、傲慢だったなあ、と。


ここまでされておいて自分を反省できる紗栄子さん。聖母なの……?

とは言え、そんな風に過去を振り返られるのも、幸せな再婚を果たした今だからこそ。浮気相手の子供ができたと知ったときは、はらわたが煮え繰り返る思いで、心理カウンセリングのコールセンターに電話をかけたりするほどに精神的にまいってしまい、離婚のショックで重度ストレス障害になって、1年も休職する羽目になったのです。

だけどこれが実は大きな転機となって、紗栄子さんは今の素敵な旦那様と39歳で出会って再婚できることになったのですから、本当に人生、何が起きるかわからない。これ、この連載で毎回書いているフレーズですが、だからOver40でシングルのみなさまも、結婚をあきらめたりする必要、本当にないと思うのです。

そんなわけで、ここから始まる、紗栄子さんの壮大かつ幸せな再婚話は次回に続きます!
 

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 

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