2020年はステイホームの年であり、家族との時間も爆増した1年でもありました。「正直つかれた」「毎日一緒でしんどい」そんな妻たちのホンネがあちこちから聞こえてきたのも、このときです。もう少し夫が協力してくれたら、もう少しラクになれたら、と思いながらも、どうしても自分で抱え込んでしまうという方も、少なくないかもしれません。

そんな方に参考にしていただきたいのが、ハラユキさんの著書『ほしいのは「つかれない家族」 ワンオペ家事&育児に絶望した私が見つけた家族のシアワセ』です。夫からの協力が得られず、ワンオペ育児に疲弊しきった著者。国内外の仲良し夫婦を取材することで見えたのは、「つかれない家族」になるための様々な工夫でした。ハラユキさんはどんな状況に陥ったのか? そして「つかれない家族」にはどうやったらなれるのか? その気になる内容について、本書から特別に一部抜粋してご紹介します。

「ワンオペ育児、もう限界!」と諦めかけた妻が、「つかれない家族」を手に入れるまで_img0

 

イラストレーターとして仕事をしていたハラユキさん。高い理想をもって仕事にまい進する、尊敬できる男性と結婚し、2012年には男の子を出産。夫婦で協力しあって子育てするようになるはず、だったのですが……。

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現実は、そうなりませんでした。ハラユキさんはフリーランスのため、育休手当がないことを考慮して産後1ヵ月で仕事に復帰。夫婦の両親はいずれも遠方にいるため、頼ることはできません。さらに、仕事仕事で育児に積極的にかかわろうとしない夫に対して、不満は山積。「ワンオペ育児」のスキルだけが上がっていったのです。

 

しかしある時、ワンオペ育児に奔走するハラユキさんの体に異変が。日頃の無理がたたって、帯状疱疹、急性胃腸炎と、体に様々な不調が出始めたのです。夫に早く帰ってきてもらおうとSOSの連絡を入れ、「なるべく早く帰ります」と返信を受信するも、その後プツリと途絶える夫からの連絡。結局その日、夫は家に帰ってきませんでした。
 

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「こんなの“家族”じゃない……!!」
夫は翌日平謝りしたものの、ハラユキさんの体には追い討ちをかけるように赤い発疹が。
「とにかく少し休ませて……」と子どもを夫に預け、久しぶりに“ひとり”で2時間寝ることに成功すると、体の赤い発疹は嘘のように消えていました。そこで、「私にはワンオペ育児なんて不可能」ということに気づいたのです。

このままではいけないと、夫との話し合いの時間を設けることに。自分だけがつかれていると思っていたハラユキさんでしたが、じっくり話を聞いてみると、「仕事が忙しい」「妻がいつも怒っている」「フォローしようとしてもとりつくシマがない」など、夫は夫でつかれてしまっていたことを知ります。


自分たちに必要なのは、「夫も私もつかれない仕組み」なんだ。


そう考え始めたハラユキさんは、いろいろな家族に話を聞くようになりました。便利アイテムや時短グッズを利用しまくって、育児中でも仲良く暮らす日本の夫婦。スペインに移住したことでわかった、夫婦というパートナーシップのあり方――。自分とは異なる背景をもつ様々な夫婦の考え方に触れることで、ふたりだけでは到底思いつかないアイデアをたくさん得られたといいます。

そこで次ページからは、良好な関係性を築いている夫婦・カップルに話を聞くことでわかった「つかれない家族」になるためのヒントについて、ハラユキさんの言葉でご紹介していきます。