【つかれない家族のヒント①】
分担は「性差」ではなく「個人差」で決める
いろんな家庭を取材してわかったことなのですが、仕事や家事育児の向き不向き、好き嫌いに、男女差はほぼありません。もちろん、出産と母乳の直接授乳だけは女性しかできませんが、このふたつは人生のほんのいっときの話です。
そもそも、人間というのは、男女というふたつだけに分けられるほど単純な生き物ではないのです。たとえば、バリバリ働き稼ぐのが上手な女性もいれば、仕事より家事のほうが好きという男性もいます。大工仕事が得意な女性もいれば、お菓子作りが得意な男性もいます。
つまり、「男だから大黒柱として働くべき」「男だから大工仕事を担当すべき」「女だから子育てに専念すべき」「女だから料理を担当すべき」というように性差によって役割を決めていくと、本人の資質を活かせず、ストレスを生み、不仲を生み、生産性も上がらない、という悪循環に陥ることもあるのです。それは、家庭にとって大きなマイナスです。
だから、家庭内の役割分担は、性差ではなく個人差で決めていくのが、いちばん合理的でスムーズ。男だからやる、女だからやる、ではなく「時間的にやれるほうが、または資質としてふさわしいほうが、やる」。「子育て中でも仲がいいカップル」は、社会的な常識よりも、そういう視点で役割分担を決めていることが多いのです。もちろんそれをスムーズに実現するためには、性差別が少ない社会環境や職種を選んでいくことも必須条件となります。
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