勉強ができない子供についイライラしてしまう……。そんなとき、どう自分の感情をコントロールすれば良いのでしょう? 子供時代に虐待された経験を持ち、児童虐待防止機構理事長、アンガーマネジメントファシリテーターなどとして活動する島田妙子さんに、対応策を教えていただきました。

 


rinたろうさんからの質問

Q. 勉強ができず泣いている子供に、辛くあたってしまいます。


子供が宿題や習い事の問題を解いていて、「あー!」とか「もう!」とか、できない怒りを大声で表現しているのを横で聞いていると、「なんでこんなこともできないのか」「なんでそんな大声で泣いたり叫んだりするのか」と、なぜか私まで激しくイライラしてしまいます。それどころか、子供に「いい加減ママの前で叫んだりするのやめてよ! あっちの部屋で勉強しなさい!」と、勉強ができずに泣いている子供を目の前から見えないようにしたり、叩いてしまったりします。虐待してしまった……と反省するのですが、子供がまた同じ行動を取ると、どうしても発狂してしまいそうになります。一体どうしたらいいのか……。(45歳)


島田妙子さんの回答

A. 子供への過大な要求を減らしましょう。そしてできたことを褒めてあげてください。


これは完全に悪循環に陥っていますね。なので一回、基本に戻りましょう。そもそも子供というのは、“スモールステップ”の生き物。つまり、“ちょっと頑張ればできること”をクリアしながら成長していくものなのです。だからそこに「すごいね!」「よくできたね!」がないと頑張れないのですよ。

でも親は、つい大きな要求をしてしまうもの。「やるべき」「できるべき」と。でも子供だって、できるならさっさとやっています。できないから「あー」「うー」と唸っているのですよ。そこで親がギャー!と怒ってしまうと、子供は焦って余計に何もできなくなってしまいます。

だからrinたろうさんは、今の状態を1回リセットすることが必要だと思います。たとえば「連休のこの3日間は好きに過ごしていい」などのように、勉強しない日を決めるのです。それで一回落ち着いたら、次に勉強を開始するときは、子供がギリギリクリアできる内容にレベルダウンしてあげてください。習い事から出される宿題であれば、少し宿題の量を減らしてもらうなど、場合によっては先生に相談してもいいでしょう。

そして、その減らした量をちゃんとできたら「すごい!」と褒めてあげてください。rinたろうさんは、しばらくこういう言葉を使うことは忘れていませんでしたか? できるのが当たり前だと思って、叱ってばかりいたのではないかと思います。100点を当たり前に思ってしまうと、98点でも「どこミスしたの!?」となってしまうのと同じです。よく考えたら98点がすごいように、わずかな宿題でもクリアすることは子供の成長、進歩なのです。

rinたろうさんは、子供に将来どうなってほしいでしょうか? 長い目で見たときに、今の目の前の宿題を完璧に解くことが大事なのか、それともきちんと終わらせる達成感を味わうことが大事なのか。その視点がないために、目先のことに意識がいき悪循環の渦に飲み込まれているのだと思います。だから一回「できて当たり前」を緩めて、少しお休みして、そして再スタートを切る。まずはこれをやってみてください!
 

PROFILE
  • 島田 妙子1972年生まれ。兵庫県神戸市出身。児童虐待防止機構オレンジCAPO理事長、兵庫県児童虐待等対応専門アドバイザー、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定アンガーマネジメントファシリテーター。7歳から父親と継母による壮絶な虐待を受ける。中学2年で児童養護施設に入所し、中学卒業後、工場勤務を経て映像制作会社に転職する。22歳で結婚。3人の子供を育てながら、児童虐待防止の活動をスタート。虐待される側だけでなく、虐待する側の心を救うことにも努めている。著書に『虐待の淵を生き抜いて』(毎日新聞出版)、『本当は怒りたくないお母さんのためのアンガーマネジメント』(到知出版社)などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
 取材・文/山本奈緒子

 

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