今年最初のインスタライブでは、着物家・伊藤仁美さん(写真右)に、子どもの卒入学シーズンに向け、オケージョン着物についてお届けする予定でしたが、内容を変更しご挨拶のみとさせていただきました。そこで今回は、ライブ予定だった内容を詳しくご紹介します。

 


大変な時期だからこそ、お祝いと願いを着物に込めて


今回は、着物家の伊藤仁美さんにオケージョン着物について教えていただきました。卒業式や入学式が無事に行われるのか、まだわからない状況ではありますが、だからこそ着物を着て欲しいと仁美さんは言います。

「昨年の11月、家族だけでささやかに息子の七五三をお祝いしました。このような状況になり、家族そろって子どもの成長を祝うことの尊さを改めて実感しました。きものの柄や文様には、お祝いだけでなく、安寧な暮らしがつづくようにと願いを込めたものもたくさんあります。例え式典が中止になったとしても、記念写真だけでもお祝いの気持ちとしてのこしてはいかがでしょう」(仁美さん)

とはいえ、中止かもしれない式典のために着物を仕立てることは、いつも以上にハードルが高く感じます。今回は仁美さんにお手ごろに着物を買える“リサイクル”という提案をしてもらいました。


リサイクルショップで着物を気軽に賢く選ぶ


「実は年代物のアンティークだけではなく、現代の着物や帯を取り扱うリサイクルショップが増えています。和装一式そろえるとなると、覚悟が必要な予算ですよね。リサイクル着物なら、お手ごろな値段なので、気軽に求めることができるのではないでしょうか」(仁美さん)

でも、本当に買って失敗はない? どんなことに気をつけて選べばよいのでしょう。

「コンディションとサイズはしっかりと確認してください。どちらも紬などカジュアルな着物なら、工夫次第で着こなせますが、フォーマルな場で着るものは、着姿に影響が出てしまうので、未使用か新品同様の状態をおすすめします。購入後のサイズ直しも念頭に入れておくとよいかもしれません。
リサイクルショップでは、仕立て上がった着物がたくさん並んでいますので、できる限り試着をしてください。サイズ感や汚れをチェックし、さらにお顔写りのよさも確認しましょう」


初めの一枚、まずは季節感なく、汎用性の高さを優先


さらにオケージョン着物の選び方について。一児の母でもある仁美さんに、リアルな視点で伺いました。

「主役はあくまでも子どもですから、母親として目立ちすぎないようにしましょう。フォーマルな場にふさわしい着物で、淡い地色に季節感のない吉祥柄でしたら、卒業式や入学式、七五三など季節を問わずに着られると思います。
何を選ぶにしても、ご自身が心躍るものを選び、どんなときもおしゃれを諦めず、美しいお母さんでいたいものですね」(仁美さん)