コロナ禍を経て迎えた、2021年。先行き不透明感が増して、お金についても不安になっている方も多いでしょう。
ファイナンシャルプランナー歴30年超の大ベテラン、深野康彦さんに、今を乗り切っていくために「ぜひやっておきたい5つのこと」を教えていただきました。マネーコラムニスト西山美紀とマネー初心者の編集・片岡が、お話を伺います。
① 1年間の「貯蓄」と「支出」をチェック
深野康彦さん(以下敬称略):まず、自分が毎月どれくらいの「支出」があるか、把握できていない方が多いでしょう。いったい何に使っているかわからない、いわゆる「使途不明金」が多い方もいると思います。
もし、手取りで年間700万円ある方が、550万円使っていれば、本来は150万円の貯蓄ができているはずです。でも実際には50万円の貯蓄だったという方なら、残りの100万円が使途不明金というわけです。所得が多い人ほど、こういうことは起こりがちです。
西山:「年間550万円を使っている」という実感がないケースも多いでしょうね。本当にそれだけ使う価値があるかどうか、一度内容を確認することは大切ですね。
深野:先行き不透明な時期だからこそ、特に現預金をしっかり持っておくことの意味は大きいです。株などの運用もいいのですが、手元の現金が足りなくなったときに運悪く相場が下がっていたら、持っている株を低い価格で売らざるを得なくなってしまいますから。
現預金は家計を守ると同時に、資産を守る効果もあります。
年間の貯蓄額を増やしたいと思ったら、支出の減らしどころを考えていきましょう。
住居費や水道光熱費などは、なかなか大きく減らすことはできません。食費も、1日3食を減らせないので、てこ入れは難しい。多くの方に確認していただきたいのが、前回お伝えした保険の費用と、次の2番目でもお伝えする通信費ですね。
② スマホなどの通信費の見直しをする
西山:通信費といいますと、スマホの費用が大きくかかっている人も多いですね。最近は大手キャリアから格安プランが発表されたりと、格安SIM以外にも今後さまざまな選択肢が増えてきそうです。
深野:まさに、今は過渡期ですね。さまざまな選択肢が出てきているので、全部でそろったところで検討するのがおすすめです。
大手キャリアから格安プランが出た後に、格安SIMの会社も料金設定を見直す可能性があります。
ただし、料金が安い場合は、窓口で相談ができずに、すべてネットで手続きするものもあります。人によってスマホに求めるものも異なりますので、サポート体制も含めて総合的に考えて、自分に合ったものを選びたいですね。
片岡:最近はテレワークなども増えてきました。
深野:はい、自宅でWi-Fiを使える場合は、スマホの料金プランを見直して金額を下げられる可能性もあります。さらに、固定電話が不要な方もいるでしょう。
ぜひ一度、通信まわりを、全部見直してみてください。
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