コロナ禍を経て迎えた、2021年。先行き不透明感が増して、お金についても不安になっている方も多いでしょう。そこで、ファイナンシャルプランナー歴30年超の大ベテラン、深野康彦さんに「マネーでやってはいけない4つのこと」について、マネーコラムニスト西山美紀とマネー初心者の編集・片岡がお話を伺いました。

住宅ローンの繰り上げ返済はNG「コロナ禍でやってはいけない4つのこと」_img0
 


① 住宅ローンの繰り上げ返済を急がない


片岡:住宅ローンを組んでいる人は、「繰り上げ返済をした方がいいのかな」と考えている人も多いようですが……。

深野康彦さん(以下敬称略):実は、先行き不透明な時代だからこそ、手元に貯蓄があっても、焦って繰り上げ返済をすることは避けたいですね。今年の3月末かゴールデンウィークあたりまで、世の中の動きが見えてくるまでは、一旦は繰り上げ返済は保留にした方がいいと思います。

西山:今は住宅ローンの金利も低いですし、繰り上げ返済の効果も、その分低いということもありますね。

深野:そうですね。今後の収入不安がある人は、たとえ貯蓄が手元にあっても、この先少なくとも半年くらいは繰り上げ返済には慎重になったほうがいいと思います。
返済額や金利にもよりますが、繰り上げ返済を少々先送りにする分には、数万円もの差は出ないでしょうから。先行き不透明な今の時代は、手元に現預金がなくなることの方が、リスクがあると思います。

それよりも、中には高めの金利で住宅ローンを組んでいる方もいらっしゃるので、低金利のローンに借り換える、という方がおすすめです。

 


② タイミングをはかって投資をしない


西山:コロナ禍で相場が大きく下がった2020年3月ごろに、ネット証券会社では口座を開設する人が増えたと聞きます。投資に興味が出てきた方は多いようですね。

深野:そうですね。ある程度収入がある方は、「投資をしたい」という方も多いでしょう。ただし、今は株価の水準が比較的高いですし、今後も乱高下があると思いますので、「タイミングをはかって売買」というのは難しい局面です。

西山:投資に関するニュースも多いですが、「あの株が上がりそう!」という投資は初心者には要注意ですね。

深野:はい、普段から投資をして慣れている人ならよいですが、初心者の方は「千里の道も一歩から」のスタンスで、少額から分散して投資を始めることをおすすめしたいです。
その方法なら、思い立ったが吉日で、タイミングを考えずに今すぐスタートしてもいいでしょう。長い目で考えて、幅広い投資先に分散できる投資信託などを中心に、着実に積み立てていくのがいいと思います。

お子さんがいて、今後の教育費が順調に準備できている方なら、例えばiDeCoを使って節税の仕組みを上手に活かしながら、投資をしていくのも一つの方法です。
ただし、iDeCoは基本的には60歳まで預けたお金は引き出せませんから、今後必要なお金が準備できているか、バランスを見ながらはじめてください。

 
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