こんにちは。フードジャーナリストの中田ぷうです。新たな年になっても新型コロナウイルスの猛威は変わらず、皆さん窮屈な日々を過ごしていることと思います。おうち時間のちょっとしたエッセンスになるような、ときには自分へのご褒美になるような“家に持ち帰って楽しめる食”を紹介していきます。今回は世界のショコラマニアたちも注目する、おしゃれでおいしいチョコレートをご紹介。でもお財布が傷まないお値段ですから、ご安心ください。

 


ベルギーの至宝「ドゥバイヨル」のバレンタインコレクション

左から時計まわりに「ラビラント オランジェット」¥1000、「ジャルダン スクレ フリアンディス」¥1500、「ミロワール アンフィニ シトロネット」¥1000(すべて税抜き)/ドゥバイヨル

ベルギーにアトリエを構える「ドゥバイヨル」は、フランス国家認定資格であるM.O.F(フランス最優秀職人章)を持つ、マルク・ドゥバイヨル氏が1983年に創業。日本には1994年から輸入され、現在、丸の内オアゾや三越銀座、高島屋日本橋店に店舗があります。
「ドゥバイヨル」のチョコレートは香りの余韻は残しつつ、また次の一粒が食べたくなる、その洗練された味わいとなめらかな口どけが特徴。ひと口味わえば、世界中のショコラマニアたちに愛されるのもご理解いただけると思います。
そんな「ドゥバイヨル」の今年のバレンタインは、18世紀末のヨーロッパを舞台に、ある若いシェフが意中の女性に向けてショコラを創るというストーリーをバックグラウンドに持つコレクションを展開。

その中から女性の手のひらに納まるサイズの“小箱”に入ったチョコレートをセレクトしました。3商品ともフルーツやナッツを使用したチョコレート。
濃淡あるグリーンを基調とした美しい紙箱に入った「ラビラント オランジェット」と「ミロワール アンフィニ シトロネット」は、それぞれ柔らかなオレンジピールをビターチョコレートでコーティングしたものと、爽やかなレモンピールをミルクチョコレートでコーティングしたものが入っています。
そして庭園を散歩する女性とチョコレートを捧げる給仕の姿が描かれたピンクの缶に入った「ジャルダン スクレ フリアンディス」。フリアンディス(見た目はクランチチョコレートのようですが、ナッツのほか、ドライフルーツ、柑橘のピールなどを使用したユニークな食感を持つ)やマンディアン(コイン型の薄いチョコレートの上にナッツやドライフルーツをのせたもの)、オランジェット、シトロネットなどのほか、限定の「ロシェ シトロン」(刻んだアーモンドとレモンピールをホワイト チョコレートでコーティングしたしたもの)が入っています。


新進気鋭イスラエルのチョコレートブランド“Roy Chocolate”

「ROY CHOCOLATE」(コーヒー&キャラメルトリュフ、ウィスキートリュフ、マサラチャイトリュフ)各¥1200(税抜き)/エクレティコス

“中東のヨーロッパ”として栄えるイスラエル・テルアビブで2004年に創業した「Roy Chocolate(ロイ チョコレート)」。わずか数年でその品質の高さが認められ、フランス・パリで開催される食の博覧会「SIAL(シアル)」において「トレンド&イノベーション」賞を受賞。イギリスの高級百貨店「セルフリッジズ」や、国際的なホテルである「ヒルトン」「シェラトン」「インターコンチネンタル」などのホテルショップでも販売されています。ぜひ個性的でモダンなパッケージにも注目してください。
中にはそれぞれチャイ、ウイスキー、コーヒー&キャラメルフレーバーのトリュフが入っています。このトリュフ、中のフィリングがとても繊細で、口の中に入れた途端、なめらかに溶け出します。トリュフはこの口どけの良さが最大の魅力だと思っていますが、中には硬くてなかなか溶け出さないトリュフもあって……でもこれは違います。どれも大人味ですので、コーヒーやエスプレッソ、お酒にも合いますよ。


じわじわと人気急上昇中。名門のショコラメゾン「ミシェル クルイゼル」

プティ・カドゥーコレクション左から「パニエ・バゲット」、「シャルトリュー・エ・サーディン(ミルク)」、「シャルトリュー・エ・サーディン(ダーク)各¥886(税込み)/ミシェル クルイゼル(山本商店)

1948年、フランス・ノルマンディで創業した「ミシェル クルイゼル」は、「ビーントゥバー(※)」という言葉が生まれる以前から自社でカカオ豆を選別し(産地でカカオ豆の発酵日数まで指定するほどこだわっている)、焙煎したチョコレート作りを行っているメーカーです。
そんな「ミシェル クルイゼル」の中でも¥1000以下で買えるのが、写真の「プティ・カドゥーコレクション」。フランスのマルシェをモチーフにバゲットやサーディンのホイルで包まれたチョコレートが楽しめます。ただ、中のチョコレートはかなり本格的な味。子ども用と思ったら、大間違いですよ(笑)。
※「豆からバーへ」と直訳できる「ビーントゥバー」とは、カカオ豆の選別、発酵、焙煎からチョコレート製品を作る原料となる「カカオマス」「クーベルチュール」を作り、さらには板チョコという最終形に製品化するところまでを1人、またはひとつのメーカーが手がける形態のこと。2000年代初頭にアメリカで「ビーントゥバー」が主流になる前は、チョコレートブランドは「カカオマス」や「クーベルチュール」を原料として仕入れて製品を作っていた。


チョコがけいちごではなく、いちごにホワイトチョコを染み込ませた逸品

ホワイトチョコストロベリー¥1026(税込)/イニックコーヒー

フリーズドライのストロベリーをホワイトチョコレートでコーティングしたお菓子はよく見かけると思います。確かにおいしいですが、やはり甘いホワイトチョコレートと酸っぱいドライストロベリーがなじむというよりかは、パッキリと分かれた味わいですよね。
こちらは独自の製法でフリーズドライストロベリーにホワイトチョコレートを染み込ませ、ミルクパウダーをたっぷりまぶした逸品。まさにホワイトチョコレートといちごが“溶け合い”、まろやかでミルキーな味わいを実現。「口の中で溶けるような食感が今までのチョコがけドライストロベリーとは違う」「一粒の満足感が大きい」など発売と同時に大きな反響を呼んでいます。ふんわり甘いミルクパウダーをまぶして食べれば、一層まろやかな味を楽しめます。

ちなみにこの「ホワイトチョコストロベリー」、ホットミルクの中に入れると“いちごチョコレートミルク”に変身します。


いかがでしたか。チョコレートというのは味の甲乙が激しい食品の1つだと思っています。でも探せば1000円以下、1000円台でもおいしいチョコレートが楽しめますので、ぜひ、今年のバレンタインはおいしいチョコレートを楽しんでみてください。

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