米国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に向き合う山田悠史医師に、新型コロナの後遺症について、現時点でわかることをまとめていただきました。

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【質問1】COVID-19の後遺症について教えてください。


COVID-19の後遺症は、全体として感染者の約3割かそれより多い割合で見られることが報告されています(参考1)。

そもそもCOVID-19はすぐに治癒した人でも、軽症で2週間程度、重症の場合には3〜6週間程度は症状が続いたことが報告されています。風邪やインフルエンザは多くが1週間以内に回復するのと比べると、症状が長く続く傾向があるのです。

 

その期間を超えても症状が持続する場合、後遺症が残っている可能性があります。

後遺症の症状は、非常に多岐にわたることが知られています。例えば、だるさや息苦しさのほか、メディアで取り上げられている匂いや味の変化などの症状が起こり、比較的長い間続く人もいます。

また、感染後に眠れない、ご飯が進まないといった精神的な不調を訴える方もいます。

このような症状は、ひとりの人にそれぞれひとつだけというわけではなく、複数の症状が同時並行で出ることが多いということも報告されています(参考2)。また、多様な症状を抱える影響で、比較的長期に渡り、日常生活に支障をきたしてしまう人もいます。

感染2ヵ月後に行った調査で、感染前の日常生活に戻れた人は6割にとどまったことを報告する研究があります(参考3)。

まだまだわからないことも多いですが、このように少しずつ日々データが蓄積されてきている状況です。

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