テレビやラジオ、イベントなど幅広く活躍する、話すこと・聞くことのプロであるフリーアナウンサー安田佑子さんが話題の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」の魅力を分析します。


風の時代。心の換気が必要だったところに上陸した「クラブハウス」

 

2021年が明けて、1月下旬から連日のように話題になっているのが、無料であるにもかかわらず、興味があっても招待されないと登録できない謎めいた音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」です。私も登録して二週間、夜の深い時間までついつい聴いてしまい、すでに耳疲れすら感じています。この一年、「自分の世界以外の人」と話したり、話を聞いたりする機会が激減する中、「同じ時間を共有する他人」と近い距離感でコミュニケーションがとれる、という新鮮さや懐かしさでブームになっているのではないかと考えています。

また、2月13日、福島県沖の地震が起きた時に「クラブハウス」のトークルームにいた人たちは「一人じゃなかったのが心強かった」「東北の人の声をすぐに聴くことができた」など、報道では知り得なかった情報や時間のシェアを体験したようです。ただ聴くだけでももちろんOK。発言したければ手を挙げて話すことも司会進行することもできる声のSNS「クラブハウス」とは一体どんなものなのか、「始めてみたい」「始めてはみたけれど…」という方に、私なりに魅力や楽しみ方を分析してみたいと思います。

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文字のやりとりはなし。音声のみの不便な気軽さが魅力

「クラブハウス」は生放送ラジオのようでもあり、音声セミナー、相談会であり、公開生電話のような声だけのSNSです。また、異業種、同業種、趣味で繋がる場所でもあり、隣のテーブルの飲み会の話を聞いているようでもあります。番組、と表現するとわかりやすい「ルーム」と呼ばれるトークルームが数多くあり、ビジネスの情報交換や人脈拡大を目的としたルーム、勉強中の言語で話したり趣味を語り合うルーム、「クラブハウス」の活用方法を提案するルームなどなどコンテンツは多種多様。聴きながら気になる登録者のbio(バイオ)=プロフィールを見て自由にフォローしたり、相互フォローしたりできます。

 


今後、投げ銭やサブスクリプション制、有料ルームなどが導入されるようですが、今は無料で著名人やその道のプロの業界トークや裏話を聴く事ができたり、憧れのスターと話せる可能性も。ユーザーはアプリを開いたらどのルームに寄ろうかルームのタイトルや登壇者をチェックして立ち寄っていく、出入り自由スタイルです。

 
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