最近は、気軽に投資を始められるアプリの充実や、ポイントを使って投資を体験できるサービスなども登場し、“投資で資産を増やす”という選択肢がより身近なものになっています。とはいえ、「投資ってハイリスクなのでは?」というイメージを持つ方も多いはず。『お金で絶対に苦労しない方法を教えてください!』(プレジデント社)の著書、経済評論家・加谷珪一さんは、資産を増やすいくつかの方法がある中でも、初心者には「株式投資」がおすすめだといいます。将来に不安を抱える女性・西園寺花子さんに、加谷さんがお金の講義を行うという会話方式で構成される本書から、素人が絶対に抑えておくべき“投資の基本のき”について一部抜粋してご紹介します!


【資産運用のギモン①】
大損が怖くて手が出せない……初心者向けの「投資」はある?

 

西園寺花子さん(以下、西園寺):最近、まわりでも投資を始めたっていう人が増えています。なかには新型コロナの給付金を投資につぎ込んだという人も。私も興味津々なんですが、初心者にはどんな投資が向いているんでしょうか?

加谷珪一さん(以下、加谷):これははっきりしていまして、古今東西を問わず、資産形成の王道は株式投資です。一般的な投資対象という意味では、株式投資一択と思って間違いありません。超優良企業の株式に、コツコツと長期にわたって投資していくのがいちばんです。ウィズコロナ時代にあっても、この原則が変わることはありません。

 

西園寺でも、超初心者なので、投資はちょっと怖い気もして、なかなか踏み出せません。金融機関の人は儲け本位のビジネスで金融商品を売りつけてくるんじゃないかって。だまされて損するなんてイヤですよ。

加谷:どうも2種類のリスクが混然一体となっているようですね。まず、そこを切り分けましょうか。

一つには、おそらく純粋に投資が持つ本質的なリスクに対する恐れがあるんじゃないですか? もう一つが、だまされてしまうんじゃないか、訳のわからない商品を押しつけられて大損するんじゃないか、という恐怖です。この2つの恐れはしっかり区別しましょう。

まず、投資本来のリスクについていうと、金融理論の原理原則として、リスクが存在しないところに収益機会は生まれません。どうしてもリスクを取りたくなければ、投資はしない、という選択肢しか残りません。

西園寺でも、リスクがある、と言われると、どうしても尻込みしてしまって……。お金を増やしたいのに、逆に減ってしまったらも元も子もありませんから。