西園寺やっぱり、そういうことがあるんじゃないですか。

加谷:ここが、先ほど言った2のめの恐怖にまつわることです。銀行の窓口ですすめられる商品のなかには、投資のプロから見ると、結構恐ろしい商品もあるんですよ。ですから、よく調べもしないで「おすすめ商品」を買ってはいけません。大損して泣くことのないよう、投資に関する最低限の知識をきちんと身につけることです。

とりあえずの防衛策としては、説明を聞いてもよくわからないと感じるような、仕組みが複雑な商品は絶対に買わない、ということを心掛けてください。ここを徹底するだけで、「だまされそうだから投資は怖い」などとむやみに怖がる必要はなくなりますよ。


【資産運用のギモン②】
「長期投資」がいいって聞くけど、なにがいいの?

 

加谷:ここは強調しても強調し足りないくらいなんですが、よほどの天才でない限り、20年、30年というスパンで、毎日コツコツ努力しないと大きな資産は築けません。逆にいえば、どんな平凡な人でも、時間さえかければ一財産つくれるんです。

 

西園寺長期投資がいいというのは、そのほうがリスクが小さくできるということですか?

加谷:少し誤解があるようですね。私が長期をおすすめするのは2つの理由があります。まず一つには、株式投資自体のリスクは、基本的にその株式固有のリスクに左右されるものであって、長期だからといってリスクが減ることはありません。ただ、長期になればなるほど、その株式がもっている平均的なリターンに近づいてくるという意味で、大きく外れることがなくなります。その結果、損をするリスクが減り、株式投資本来の平均6%というリターンを得られるようになるわけです。