自分の着たい服を着る。それがいちばん似合う服だから

『その女、ジルバ』出演の中田喜子さん「年齢を重ねることが希望になる世の中に」_img3

 

――一方で、日本はまだまだ年をとることに対してマイナスイメージを持つ人が多いのも事実です。いつまでも若い人向けの洋服を着ていると、「そろそろ年を考えたら」なんて言われたり。

中田 おっしゃる通りで、「もう60だからグレーの服で」と自分で自分を縛っている方もいると思います。でも私は60だからと言ってピンクの服を着ちゃいけないとは思いません。みなさん、着たい服を着るのがいちばんだと思います。

私が演じるエリーさんも、エリーさんは絶対に花柄の似合う女性だというイメージがあって。それでエリーさんに似合う花柄を自分で一生懸命探しました。第1話で着ているエリーさんのワンピースは私が以前買ったもので。それに衣装部さんが用意してくださった赤いジャケットを合わせてみて。第3話の白地に大きい花柄のワンピースは、エリーさんに似合うものを私が探して買ってきたものなんです。

『その女、ジルバ』出演の中田喜子さん「年齢を重ねることが希望になる世の中に」_img4
 
 

――それこそ、年をとると少しずつ花柄に手を伸ばす勇気が出なくなってきます……。

中田 日本はもともと学生服の文化があるから、どうしても人と同じものを着なきゃいけないんだという固定観念があるのかもしれません。でもね、私は鳥居ユキ先生のお洋服が大好きで、よくお世話になっているのですが、以前、鳥居ユキ先生がこうおっしゃったんです。

「自分が着たいものを着る。それがいちばん似合う服なのよ」って。

私、その言葉にすごく勇気をいただいて。それで、赤いチェックのジャケットをよく着ていました(笑)。人の目なんて気にせず、自分の着たい服を堂々と着ていればいいんだって、今は心から思います。