親である以上、女性だけが育児の当事者であるはずがありません。男性もまた主体者として意識を持っていこう。そうした気運は高まりつつありますが、まだまだ女性を主語に語られることが多いのが育児の現状。
そんな中、ある男性会社員が育児休業をとったことから始まる、笑いと涙の育休生活を描いたドラマが始まります。それが、WOWOWオリジナルドラマ『男コピーライター、育休をとる。』。男性会社員が直面する育休に関する諸問題を、リアルかつポップに描いていきます。
ワンオペ育児や保活問題など、多くの難題が山積する日本の育児。この国の育児がもっと伸びやかになるには、まず何から変わっていけばいいのか。
主演を務めた瀬戸康史さんと一緒に考えます。
瀬戸 康史 Koji Seto
1988年、福岡県生まれ。2005年デビュー。以来、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。映画「事故物件 恐い間取り」、NHK連続テレビ小説「まんぷく」、TVドラマ「透明なゆりかご」「私の家政夫ナギサさん」など話題の作品に多数出演。舞台「関数ドミノ」では、平成29年度(第72回)文化庁芸術祭演劇部門 新人賞を受賞。7月にミュージカル「日本の歴史」(作・演出:三谷幸喜)、10月15日には劇場版「ルパンの娘』が公開、12月には主演舞台「彼女を笑う人がいても」(仮題)が控えている。
男がこれ、女がこれ、という世の中ではもうないと思う
――そもそもですが、瀬戸さん自身は育児休業についてどれくらい関心がありましたか。
瀬戸 関心というか、自分の子どもなんだから、何もせずほっとくわけないはないだろうという感覚でしたね。うちの親父もそういう人だったんですよ。だから、僕の中で男性が育児をすることは“普通”でした。
僕は今33歳ですけど、たぶん僕らの世代ってそういう感覚の人は多いんじゃないですか。男がこれ、女がこれ、と区別する世の中ではなくなってきている中で育ってきたと思うので、男性が育児をすることへの抵抗は特に感じなかったです。
――いわゆるジェンダーロールというものに縛られていない?
瀬戸 たとえば、家族を幸せにしたいとも思う。でもそれが男らしさなのかと言われたら、よくわからない。性別というより、あくまで自分はこういう考えですというだけで、他の人もそうあるべきだなんてまったく思わないですし。
よく男性らしいとか女性らしいとか言うけど、僕はそれ自体がよくわからないんですよね。どういう行動をしたら男性らしいとか、どういう振る舞いをした女性らしいとか。そういう固定観念が自分の中にないと言った方が近いのかもしれません。
――育休をとることで一時的にキャリアがストップするという捉え方もありますよね。脂の乗っている時期に育休を取ることに不安を感じる声は世間的にも一定数あるのかなと思います。
瀬戸 まあ、でもその脂の乗る時期というのもよくわかんない話ですよね(笑)。よく脂が乗るのは30過ぎてからだって聞きますけど、ただ人が勝手に言ってるだけじゃないですか(笑)。ものすごく曖昧だし、だったらそれを気にするより、自分自身がそのタイミングで何を大切にしたいか、ということが大事な気がします。
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