もう21世紀ですから、年齢を重ねることが希望になる世の中にしましょう
――改めての質問ですが、中田さんは年齢ってなんだと思いますか。
中田 希望であってほしいですよね。年齢を重ねることが、希望になってほしいです。
――昔、年をとることは可能性が減っていくことなんだと言われたことがありました。
中田 そんな悲しい! 21世紀なんですから、そんな考え方はもうやめましょう。アララじゃないですけど、「私なんか…」と思って生きている子があれだけ変われるんですから。年齢を重ねることは、決して希望がなくなることじゃないと思いたいです。
――年齢を気にする人たちに何かかけてあげたい言葉はありますか。
中田 40代のときに、友人から「年を数えるから年をとるんだ」と言われたことがあって。ですから、私はそれ以来、自分の年を数えなくなりました。人から年齢を聞かれても、「あれ、私、いくつだったかしら?」って本当にわからないくらい(笑)。
でもね、最近は大きなお世話で、いろんな記事で名前の横に年齢が書いてあるでしょう? それを見るたびに嫌でも思い出すから、ちょっと苦痛(笑)。
――あれ、本当にいらないですよね(笑)。
中田 でも、今はそういうことも大切なのかなと思うようになりました。無理に年齢に抗う必要もない気がするんです。その年齢の私が、私ですから。それよりも、樹木希林さんの言葉じゃないですけど、「人と比べない」ことが大事。
年齢を重ねるということは、ひとつずつ色が重なっていくこと。ひとつ年齢を重ねるたびに、また新しい色がくわわって、どんどん深みが増していく。そうやって自分にしか出せない素晴らしい色をつくり上げることが、生きるということなんじゃないかと思います。
中田喜子
11月22日生まれ、東京都出身。20数年にわたって演じた『渡る世間は鬼ばかり』の三女・文子役をはじめ、数々のドラマや映画に出演。1993年には舞台「御いのち」で第19回菊田一夫演劇賞を受賞。趣味は20代で始めたDIY。腕前はプロ級で、著書に「女優・中田喜子のDIY 手作り模様替え工房」(主婦の友社)がある。
<作品紹介>
オトナの土ドラ『その女、ジルバ』
結婚直前に相手に逃げられ、仕事はリストラで販売員から倉庫勤務に。お先真っ暗だった笛吹新(池脇千鶴)は、40歳の誕生日に偶然見かけた「ホステス募集、ただし40歳以上!」の張り紙をきっかけに、BAR「OLD JACK&ROSE」のドアを開ける。そこで待っていたのは、さまざまな苦難にも負けず、明るくポジティブに生きる先輩たちで……。話題のドラマも、残すところあと3話。第8話は2月27日(土)、最終回は3月13日(土)。東海テレビ・フジテレビ系にて、いずれも23時40分より放送。FODでも見逃し配信中。
撮影/赤松洋太
スタイリング/池田友紀
ヘア&メイク/藪西智美
取材・文/横川良明
構成/山崎 恵
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