3. 自分でチェックする方法は?
→習慣にすることで、小さな変化に気付きやすくなります。


定期的に自分で乳房を触って、しこりなどの異常がないかを確認するようにしましょう。色々な病院や団体のサイトでも確認できますが、一例として、チェック手順は次のような流れです。(参考:川崎市立多摩病院)

 

チェック1:よく見る
・鏡の前で腕を高く上げる
・両腕を腰にあてる
→ひきつれ、へこみ、乳頭のへこみ、湿疹がないか?

 


チェック2:浴室で触れる
・指先で10円玉大の「の」の字を描くように、アンダーバストから鎖骨、わきの下まで触っていく
→しこりや硬い部分がないか?

 

チェック3:しぼる
・乳房や乳頭をしぼる
→分泌物が出ないか? 出たら、赤や黒い分泌物か確認する。

 

チェック4:仰向けで触れる
・仰向けでチェック2と同じように触れる
→しこりや硬い部分がないか?

 


ポイントは、ラグビー元日本代表の五郎丸選手も大切にしていた「ルーティン」。毎月生理が終わったタイミングで、どこを、どんな順番で触るかを決めておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。閉経している場合は、日を決めて毎月行いましょう。うっかり忘れてしまわないよう、アメリカでは、シャワーのフックにチェック手順を書いたタグをぶらさげておく、というアイデアもあるようです。

最近では、乳がんに関心をもち、乳房を意識する生活習慣のことを、「ブレスト・アウェアネス(Breast Awareness)」という言葉で表現することがあります。日々の暮らしでブレスト・アウェアネスを実践して、自分の乳房を守るためのセルフチェックを習慣化することが、早いうちに乳がんを発見するための一助となるのです。

緒方晴樹 Haruki Ogata

目白乳腺クリニック院長。日本乳癌学会乳腺専門医・指導医。20年以上にわたり乳腺外科を専門とする。東京逓信病院では乳腺センター立ち上げに尽力、センター長として多くの乳がん患者の治療にあたった。2019年2月、女性が気軽に受診できる「乳がん検診・治療・フォローアップ専門クリニック」として、目白乳腺クリニックを開院。


取材・文/金澤英恵
イラスト/徳丸ゆう
構成/山崎恵

 

【全10回】
第1回「胸がチクチク、コロコロ...育児・働き世代を襲う乳がんの基礎知識」>>

第3回「【乳がん検診】マンモグラフィとエコーが片方ではダメな理由と病院の選び方」3月21日公開予定

 
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