会社の健康診断や自治体の乳がん検診で、迷った経験はないでしょうか? マンモグラフィ、エコー(超音波検査)というふたつの検査項目。そこに書かれた「この検査は自己負担となります」といった一文。オプションとして任意で検査を選べる場合、費用面を考えると「どちらかだけ」にしたいところですが、本当にそれでいいのか、悩むところです。そこで今回は、乳腺専門医の緒方晴樹先生に、乳がん検査にまつわる疑問について、さらに怒られるのを覚悟で「どっちかだけじゃだめですか問題」についてお聞きします!
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おっぱいチクチクは乳がん?乳腺症?乳腺専門医が教える乳がんセルフチェック法>>
1. 乳がんの検査ってどんなことをするの?
→マンモグラフィとエコー、結果によっては「針生検」を行うことも。
乳がんを見つけるための検査としてよく知られているのは、「マンモグラフィ」と、「エコー(超音波検査)」です。ふたつの検査結果で乳がんが疑われる場合には、「針生検」といって、細胞を針で採取して調べます。乳がんと診断された後は、「CT」や「MRI」などでがんの広がり具合を詳しく調べていきます。
これらをすべて検査できるのは、基本的に手術も行うような大病院に限られ、通常の病院設備は限られていることがほとんどです。当院で対応しているのも、マンモグラフィ、エコー、針生検まで。乳がんとわかった患者さんにはその後、医療提携している病院を紹介して、CTやMRIの検査を行なってもらうことになります。その検査結果を元に、手術するならどういった手術にするか、先に抗がん剤などの薬物療法を行ったほうがいいかなど、ステップを踏んで治療方針を決めていくことになります。なお、検診にかかる費用は病院によってまちまちなので、不安な方は事前に確認しておくといいでしょう。
コロナ禍における外出自粛要請の影響を受け、乳がん検査で来院する方も減りました。特に育児世代は、子どもが通う学校への影響も考え、来院を控える方が多いようです。でも、乳がんを発見するための正確な検査は、やはり病院でなければ行えません。年1回の定期検査はぜひ病院で行うようにしてください。
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