しかし、反ワクチンの研究報告や報道は、その真偽がどうあれ、ワクチンの不安を持つ方にとって、ワクチンからの逃避行動に論理的に見える理由を与えてくれる「救い」の情報となりえます。このため、そこに科学的な正当性がなくても受け入れられやすいのです。
そういった性質が背景にあり、「反ワクチンの理屈」は人々の不安を埋めながら、すぐに広がっていってしまいます。今回のコロナワクチンで広がった情報は、このような過去の歴史から掘り出されてきたものではないかと思います。良い意味でも悪い意味でも、「歴史は繰り返される」のです。
このような情報は、これからも途絶えないでしょう。特にソーシャルメディアにおいては、情報は正しさより、新しいこと、奇をてらっていて注目を浴びやすいことこそが好まれがちです。
何が正しい情報なのだろうか?そんな疑問を持たれたら、ぜひ立ち止まり、情報のとり方を変え、公的機関のウェブサイトのような信頼のできる情報源から情報をとるようにしていただければと思います。
私もこのミモレで、その考え方のお手伝いが少しでもできればと考え、記事の執筆を続けていきたいと思います。
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ワクチン接種に関する不安を抱えている方のために、山田悠史医師が、Clubhouse(クラブハウス)にて「ワクチンQ&A」を行います。
日時:3月23日(火)午前9時30分~10時15分頃
参加方法:iPhoneのClubhouse(クラブハウス)のアプリで、山田悠史医師のアカウント「@yujiy0402」をフォローいただければ、Clubhouse内で通知がいきます。あとは当日、9時30分に「ルーム」へお越しください。
その場で質問が可能です。iPhoneユーザー限定となってしまい恐縮ですが、可能な方はぜひご参加ください。
参考文献
1 Lidegaard Ø, Løkkegaard E, Svendsen AL, Agger C. Hormonal contraception and risk of venous thromboembolism: National follow-up study. BMJ 2009. DOI:10.1136/bmj.b2890.
2 Dagan N, Barda N, Kepten E, et al. BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting. N Engl J Med 2021; : NEJMoa2101765.
3 Hamborsky J, Andrew Kroger M, Charles Wolfe M. Immunology and Vaccine-Preventable Diseases – Pink Book - 2015 -Introduction and Table of Contents. 2015 https://bookstore.phf.org/.http://www.cdc.gov/vaccines/pubs/pinkbook/index.html. (accessed March 15, 2021).
4 Wakefield AJ, Murch SH, Anthony A, et al. Retracted: Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children. Lancet 1998. DOI:10.1016/S0140-6736(97)11096-0.
5 Wilson K, Mills E, Ross C, McGowan J, Jadad A. Association of autistic spectrum disorder and the measles, mumps, and rubella vaccine: A systematic review of current epidemiological evidence. Arch. Pediatr. Adolesc. Med. 2003. DOI:10.1001/archpedi.157.7.628.
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