ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。今回は、44歳で10歳年下の彼と交際3日で結婚したハルさんにお話をお伺いしました。
10歳年下男性と44歳で電撃婚。そう聞くと、「どうせ今までもモテてた女性なんでしょ」と思うかもしれませんが、ハルさんはそれまで付き合って来た男性にはことごとく、「重いから」が理由でフラれてきた過去の持ち主。
ハルさん:30過ぎから付き合った彼は、飲み屋でバイトしてたときに知り合った人ばかり。結婚願望が強かったのですがヤキモチ焼きなので、それが相手には重く感じられたようで、結婚相手の対象にはされなかったんです。付き合ってもすぐに別れちゃって、別れたら引きずって……の悪循環。いつも2年くらいは引きずるので、彼氏が途切れないタイプでは、全然なかったです。
元々、家庭環境の影響もあって鬱の気があったハルさん。交際するとヒステリーな性質が出てしまい、付き合っても相手が毎回逃げ出してしまっていました。いわゆる「メンヘラ」気味で、恋愛が上手く行かないタイプだったのですね。
そこに転機が訪れたのは、前述の、福岡で同棲していた恋人に浮気されたあとのこと。
ハルさん:たまたま読んだ雑誌の記事で紹介されていた、ある心理カウンセラーの話がすごくしっくり来たんです。私が浮気されたのは、浮気されたんじゃなくて、潜在意識で相手に浮気されるよう仕向けたんだ、というようなことが書いてあって、「そうかもしれない!」って。
縋るような気持ちでそのカウンセラーの元へカウンセリングに訪れると、「結婚したいなら理想の相手の条件をリストアップすること」とアドバイスを受けたそう。
リストを書くコツは、
・とにかく細かく書くこと
・過去の恋人の嫌なところを書き出してみてそれと逆を意識すること
・誰か特定の人に決めつけると思い込みによって理想の人に気づけなくなるので人の指定はしないこと
この3つ。
ハルさんが書いたのは、
・タバコを吸わない
・カメラ好きで私をたくさん撮ってくれる
・ハルさんとレンズを共有できるよう、某メーカーのカメラを愛用していること
・年下
・身長170~175cm
・中肉中背
・私をいちばんに考えてくれて、大事なことは相談してくれること
・優しい人
・自分を奢らない人
以上のような内容。そして出会った一生さんは、交際してから考えると、8割くらいはリストの条件に当てはまっていたのです。
ハルさん:ただ、すぐに出会えたわけじゃなくて、上京してからも年下の好きな人はできたんですが、身体の関係から先に進めなくて。その彼を吹っ切ったときに、一生さんに出会えました。前の人は、よく考えたらリストとはかけ離れてたし、違ったんだと思います。
そして交際3日後で「結婚したい」とプロポーズされたのですが、実は一生さんはこのときまでハルさんの年齢も知らず、「そういえばハルっていくつなの?」と聞かれて、初めてふたりの年齢差に気づいたのだとか。
ハルさん:そういえば、リストに「電撃婚がしたい」とも書いてたんですよね(笑)。
実際には、今まで浮いた話ひとつなかった一生さんが突然「結婚したいひとが居る」と言い出したことに向こうの母親がびっくりし、10歳の年齢差もあって、結婚になかなか承諾してくれなかったと言います。
すでに一緒に暮らし始めていたふたりが婚姻届の保証人の欄にお母さんからサインしてもらえたのは、出会って1年目の記念日。こうしてふたりはめでたく夫婦になったのですが、そこからは不妊治療との戦いの日々がスタートするのです。そのお話は次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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