ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。今回は、44歳で10歳年下の彼と交際3日で結婚したハルさんにお話をお伺いしました。
前回ご紹介した、ハルさんの「理想の結婚相手リスト」。44歳で結婚した10歳年下の一生さんはその条件に8割くらい当てはまっていたのですが、当てはまらなかったのが、「お金がないこと」でした。
ハルさん:一応リストに、経済的余裕がある人っていうのも書いたんですけどね〜(笑)。
一生さんは静岡でカメラマン系のNPOを立ち上げたいという夢があるため契約社員という形で働いていたのですが、その後、「好きなことを仕事にしたい」と無職になり、ハルさんと揉めたこともあったそう。さらに、ハルさんの子供が欲しいという願いを叶えるために不妊治療を何年か続け、それで作ったカードの借金も莫大な額に。
ハルさん:付き合って1年で結婚したから、結婚してから「え〜〜〜」って思うこともいっぱいありますよ。ケンカはよくします。彼はひとつひとつを丁寧にする性格だから、就職活動も同時並行ができなくて、一社受けたらその返事が出るまで動けない。不器用な人なんですよね。
その後、一生さんの夢を叶えるために静岡に移住。そのタイミングで、ハルさんも看護師を辞めて事務職に転職しました。
さかい:看護師ってどこに行っても食いっぱぐれず稼げる仕事だと思っていました。
ハルさん:私もそう思って資格を取ったんですけど、実際に働いてみるとストレスがすごかったんですよね。それで移住するときに彼には、「私、もう看護師やりたくないから辞めたいんだけど、収入がすごく減ってもいい?」って聞きました。お互いに「なんとかなるでしょ」という精神があるんですけど、特に夫は、いつも「ハルはどうしたい?」って聞いてくれるんです。それで、「ハルがそうしたいならいいよ」って、肯定してくれる。たしかにお金はなくて、欲しい服もZOZOで2ヶ月後払いとかにしないと買えないんですが、看護師をやれば借金がすぐに返せるのはわかっていても、自分が楽しめないならやりたくないなと私は思っていて。「楽しめないならやらない」というのが、私たち夫婦の共通点。そこを共有できるのが、「この人と結婚してよかった」と思う、いちばんのポイントかもしれません。
さかい:移住生活はいかがですか?
ハルさん:東京に居ると、常に人と比べてしまいますよね。特に看護師で、夫が稼いでいたりするとみんないい服を着ているから、「いいな」って思っていた。だけど静岡に来てからは、他人の目とかどうでもよくなって、「自分軸」で生きられるようになった気がします。
お金はないけれど、一生さんが仕事がないときは主夫として家事全般をやり、お弁当まで作ってくれたりするそう。
ハルさん:忙しくて私がご飯を作れなくても、「じゃあ何か買ってこようか」って聞いてくれたり、洗濯してなくても「1日くらい死にやしないよ」って言ってくれたり、私の自由にさせてくれるんです。あとは事あるごとにお花を買って来てくれるし、毒親育ちの私が「ひな祭りを祝ってもらったことがない」と話したら、ちらし寿司やいちご大福などのひな祭りらしいメニューを出してくれたりとか、とにかく優しい。優しいところは、出会ったときから変わってないですね。
そんな一生さんの愛情と優しさに触れるうち、「重い女」だったハルさんもヤキモチを妬かなくなり、メンヘラもだいぶ治って来たのだとか。そんなふたりの結婚生活話、まだまだ次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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