賞賛する声のある一方で、否定的な意見も


しかし、誰もがそう感じているわけではないようで、保守派の間からは批判の声も聞かれました。ツイッターには、「僕は白人男性だが、これには100%賛成」というような投稿に並んで、「馬鹿げている。一番優れた人を雇えばいい。それだけ」「私はもともと飛行機が怖いのに、最高の人を雇うのではなく、枠を作って埋めると聞いて、パニックになりそう」などという投稿も見られます。

 

メーガン妃がアメリカのテレビで行ったインタビューで発言したことを「信じない」と言ってレギュラー出演していた番組を降板させられたイギリス人ジャーナリストのピアース・モーガンも、「現在、ユナイテッドのパイロットの20%が女性または有色人種ということは、なりたいならばこれらの人たちもなれるのだということ」「ユナイテッドのパイロットを目指した女性や黒人が差別を受けたという証拠は何もない」「ユナイテッドのパイロットの大多数が白人男性とのことだが、安全な記録を保ってくれていたこれらの人たちが少しずつ減らされていくということか?そんなやり方でユナイテッドはより安全なエアラインになるのか?」と、「Daily Mail」紙のコラムで批判しています。

伝統的に不利な立場にある人たちを積極的に採用する、いわゆる積極的是正措置に対しては、リベラルを自認する人たちの間でも、時々、意見が分かれてきました。ですが、今回のユナイテッドの決断のような大胆なことがなされなければ、チャンスがない人にはチャンスがないという状況がいつまでも続いてしまうというのが現実です。

このフライトスクールに入ることができても、しっかり勉強して卒業できなければ、パイロットにはなれません。彼女らがコックピットに入るのは、その後の話。今からそれらの女性たちや有色人種のパイロットを「危険だ」と決めつけるのは、それこそ偏見のように思えます。

いずれにしても、2030年、ユナイテッドのパイロットがどのような顔ぶれになっているのか、今から楽しみです。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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今回の取り組みについて告知しているユナイテッド航空の公式インスタグラム。


猿渡由紀
L.A.在住映画ジャーナリスト
神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『週刊文春』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイ、東洋経済オンラインなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。

構成/榎本明日香


前回記事「NYクオモ知事のセクハラ疑惑がさらに過熱!被害女性たちの諦めない姿勢に共感続出」はこちら>>

 
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