米倉涼子さんが見た、最新のおすすめエンタメ情報をお届けします。

強烈なフィギュアスケート選手を演じた『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』、アメコミを映画化した『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』、シャーリーズ・セロンと共演した『スキャンダル』などを観てきて、気になる女優のひとりになったマーゴット・ロビー。彼女が脚本に惚れ込んで、プロデューサーと主演を務めた新作が公開されるということで観てみました!

『ドリームランド』 ©️2018 DREAMLAND NM,LLC

舞台になっているのは、世界恐慌下の1930年代。テキサスの田舎町で暮らす17歳のユージンは、警察から追われている銀行強盗犯のアリソンと出会います。
ユージンは彼女に惹かれて、納屋にかくまってあげることに。ふたりは新しい土地への逃避行を夢見るようになります。

 

期待値が高かった分、ストーリーにはあまり目新しさはなく、少年の妹のナレーションでふたりの逃避行の顛末が語られる演出にも、ちょっと居心地の悪さを感じてしまったのが正直なところ。でもマーゴット・ロビーはゴージャスで美しかった! 
若い頃は気の強い女の子の役が似合うと思っていましたが、こんなにも色気のある大人の女性を演じる年齢になったんだな、と目が釘付けになりました。

ふたりの関係が恋愛だったのかどうかは微妙なところだけれど、年下の男の子が惹かれてしまうのも納得の美しさ。彼女から醸し出される空気には、独特のものがあるんですよね。時代の雰囲気を感じさせてくれる衣装の数々もとても素敵でした。


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最近、私も城田優くんと一緒に、6月に開催するエンターテイメントショー『SHOWTIME』の共同プロデュースに挑戦しています。
考えることや決めていくことがたくさんあって、打ち合わせをした後は糖分が必要になるほど! 手術の後の大門未知子みたいですよね(笑)。

プロデュースの仕事を経験したことで、裏方のスタッフがいかに時間をかけ思いを込めているのか、その大変さがやっとわかりました。
それと同時に、プロデュース業には抜け出せなくなるような楽しさもあると感じています。最初からプロジェクトに関わることで、いつの間にか作品への愛情も、役への理解もどんどん深くなる。『ドリームランド』のマーゴット・ロビーもそんな経験、いやそれ以上の経験をしているのかと思うとすごいなぁ、うらやましいなぁと思ったりします。

いつかもしも彼女に会える機会があったら、スタッフ選びやキャスティング、ロケ地、美術、衣装にはどこまで関わったのか、この脚本のどういうところに惚れ込んだのか……、いろいろとインタビューしてみたいですね。

マーゴット・ロビーは、自分で立ち上がって行動していくエネルギーや強さのある美を感じる女優なので、これからも出演作やプロデュースした作品を観続けていきたい! 
次世代のシャーリーズ・セロンのような存在になっていく予感がします。

『ドリームランド』
4/9(金)新宿武蔵野館ほか全国公開


1930年代半ば、荒涼としたテキサスに暮らす17歳のユージン(F・コール)は、ある夜、納屋で大ケガを負った女性と出くわす。彼女こそが地元の銀行を襲撃し、警察から追われている強盗犯アリソン(M・ロビー)だった。危険な人物だと知りながらもアリソンに惹かれるユージンは、彼女を匿うことにする。捜査の包囲網をかわし、自由をつかみ取ろうとするアリソンと、希望に満ちた新天地への憧憬を膨らませるユージン。過酷な現実から逃れるという夢を共有したふたりは、果たして“ドリームランド”へたどり着けるのだろうか……。

監督:マイルズ・ジョリス=ペイラフィット 
出演:フィン・コール マーゴット・ロビー トラヴィス・フィメル ギャレット・ヘドランド
2019年/アメリカ/英語/101分/カラー/シネスコ/5.1ch/日本語字幕:安藤里絵 配給:ハピネット 配給協力:ギグリーボックス 
©️2018 DREAMLAND NM,LLC PG-12

取材・文/細谷美香
構成/片岡千晶(編集部)

 

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