5月17日スタートの連続テレビ小説「おかえりモネ」より。写真提供:NHK

皆さん、NHKの連続テレビ小説(以後、「朝ドラ」と呼ばせていただきます)はご覧になっていますか? 著者は、ここ15年ほど毎日のように見ています。それ以前も見たり見なかったりを繰り返していましたから、かれこれ人生の半分以上も生活の中に朝ドラが存在しているわけです。

ここまで付き合いが長いと、「主題歌が良い作品は脚本がいまいち」とか「面白すぎる作品より、少しつまらない作品の方が毎日欠かさずに見れる」とか。他人には到底理解できない自分だけの「朝ドラの法則」を見出すまでになりました。そして、いつの間にか「次にヒロインに選ばれるのは誰だろう?」と予想する癖も身についていました。自分が選んだ候補者の中から抜擢されたら「この目に狂いはなかった」と得意げに話し、予想外の結果なら「最近、攻めてるんじゃない? NHK」と負け惜しみを言う。当たっても外れてもそれなりに楽しいので、皆さんもやってみてはいかがでしょう?

 



次期ヒロインの予想を容易にした朝ドラの2大潮流とは?


そうは言ったものの、2000年代前半まではこのヒロイン当てゲームで遊ぶのは難しかったと思います。というのも、あまり顔が知られていない新人女優が抜擢されるパターンが多かったからです。

ところが、近年はそこそこキャリアがあり、かつ演技力が評価されている女優が選ばれるケースが増えてきました。さらに2010年代後半に入ると、サブヒロインを演じて注目された女優が、後年メインヒロインに選ばれるというパターンも生まれました。例を挙げると、

『あまちゃん』(2013年度前期)→『ひよっこ』(2017年度前期)の有村架純

『ごちそうさん』(2013年度後期)→『とと姉ちゃん』(2016年度前期)の高畑充希

『花子とアン』(2014年度前期)→『まれ』(2015年度前期)の土屋太鳳

『とと姉ちゃん』(2016年度前期)→『おちょやん』(2020年度後期)の杉咲花

といった具合です。とにもかくにも、この2大潮流のおかげで次期ヒロインの予想が容易になったことは間違いありません。

合わせて、筆者が予想できなかった朝ドラヒロインの起用ケースを二つ紹介させていただきます。

【ベテラン大物女優の起用】
若手女優とのW主演、もしくはヒロインの晩年担当というかたちで起用されることはありますが、単独主演というのは非常に珍しいケース。2000年以降だと、『芋たこなんきん』(2006年度後期)の藤山直美だけだと思います。ただ、彼女は『おんなは度胸』(1992年度前期)の憎まれ役で日本中を席巻した実績がありますから、多くの朝ドラファンがこのキャスティングにニンマリしたのではないでしょうか。

【“脱いだ”女優の起用】
一般認識として“脱ぐ”ことと朝ドラヒロインになることの間には未だに距離がある模様で、筆者もこればかりは予想できませんでした。過去10年間では『カーネーション』(2011年度後期)の尾野真千子、『花子とアン』(2014年度前期)の吉高由里子、『まんぷく』(2018年度後期)の安藤サクラなどがこのパターンで、3人とも朝ドラヒロインになる前に映画で体当たりの濡れ場を演じていました。「あの朝ドラ女優がついに脱いだ!」という殺し文句が使えない、男性誌泣かせのパターンですね。

 
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