子供の頃から料理が大好きなアクセサリー作家・山本亜由美が、日々アトリエにこもって、知らない味や大好きな味の再現にトライする「食いしん坊レシピ」がスタート! 
あるときは1人で。スタッフや友人がいるときは2人で。
簡単で美味しくて、素材の組み合わせも楽しくて。
足したり引いたりが簡単なご飯をご紹介しようと思います。

 

子供の頃大好きだったマルちゃんの焼きそば
もちろん大人になっても好きなのですが、3食入りというのが問題で、一人暮らしを始めてからはいつも麺を1袋食べそびれるのです。
一人暮らしだと食材を使い切るために同じ味をひたすら食べるなんてこともあるわけで、焼きそばの濃い味は刺激的でありがたいのですが、でも3食同じ味はやっぱり飽きてしまうわけで。
ご飯を作る時間がない時、作る気力がない時、そんな時が重なると消費期限はあっという間に過ぎていき、麺3袋の消費は私にとって大きな課題なんです。

 


救世主的な「焼きそば」に出会ったのは京都でした。
京都で何度か伺った和食屋さんのその日のメニューに「蟹焼きそば」なるメニューがあり、「和食屋さんで焼きそばって?」とその時はなぜだか心惹かれず、違うものを食べていたら、カウンターのお隣さんからオーダーが入り、目の前で作られていく蟹焼きそばに目が釘付けに

モチモチの太麺を多めの油で焼きあげながらほぐした蟹をタップリと。
さらに真っ黒な香りの良い海苔をこれでもかと一緒に炒めていて、海苔と蟹の香ばしさにすぐに私たちも追加オーダー!
味付けは基本的には蟹の塩気と醤油のみ。うまい!
もちろん家に帰ってすぐに真似しました。
「蟹を茹でて剥いてほぐす」はハードルが高いので、蟹缶を使用。
身のほぐれた一番お安めの蟹缶で大丈夫ですよ。


簡単で美味しい! アトリエごはんレシピ集はこちら>>

蟹缶と海苔の焼きそば


材料(1人分)

・蟹缶 1缶
・長ネギ 適量
・海苔 お好きなだけ
・太白ごま油 適量
・焼きそばの麺 1袋(1玉)

*味変は醤油、胡椒、ゴマ、アサツキ、レモンなど

作り方

1 フライパンに少し多めの油をひき、ほぐした麺と斜めに薄く切った長ネギをしっかり炒める。

 

2 蟹缶を汁ごと加え、麺が水分を吸い汁気がなくなるまで炒める。

 

3 香ばしい香りがしてきたら火を消し、手でもんだ海苔をタップリ加え、よく混ぜ合わせる。

 

*塩気が足りない時は醤油をかけて調整してください


お店で出された麺は、全粒粉配合の旨味ある太麺で油との相性がバッチリでした。
家庭ではなんでもかんでもこだわることは出来ないので、ネギを加えて一緒に炒めることでひと工夫。麺が香ばしくなり、旨味の奥行きが出る気がしました。
私は、もうこれだけで満足の味つけなのですが、海苔と醤油が混ざると旨味倍増。
フライパンの上でさっとお醤油をかけて香ばしくするのも良いですし、食べ始めてから途中お醤油をひと垂らししても食べ飽きず美味しいです。

私が使っている麺は近所のスーパーに70円位で売っている焼きそばの麺。

 

最近はこの麺がお気に入りです。
この焼きそばを作ってから、味つけパウダーがなくとも焼きそばが簡単にできるということに気づき、色々作っています。
もしかしたら皆さんはそんなの当たり前じゃんって思うかもしれませんが、子供の頃からの刷り込みか本当に思いつかなかったのですよ。

ちくわと豆苗に醤油、桜海老とパクチーにナンプラー、今思えば具材はこんなに自由なのだから味つけも自由なはずです。
でもマルちゃんとサヨナラをするわけではありません。
マルちゃんは永遠です。

撮影・文/山本亜由美 構成/藤本容子

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