前の記事でご紹介した腰椎椎間板ヘルニアや筋肉・靭帯由来の他に、骨粗しょう症を背景とした腰椎(腰の背骨)の骨折というのも腰痛の原因に挙げられます。これは、ほぼ「高齢者特有の病気」と言ってもいいでしょう。

 


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高齢者は骨の健康に関わる栄養を喪失しやすい


骨量は、健康な人でも加齢とともに1年あたり約0.5%ずつ減少することが知られています(参考文献1)。特に女性の場合は、女性ホルモンが骨の健康に重要な役割を果たすので、閉経を迎えると、それがさらに加速することが知られています。

 

また、高齢者は骨の健康に関わるビタミンDの欠乏症が多いことも知られており、これもまた骨量の減少を加速します。

加えて、「宇宙の無重力の環境にいると骨密度が減る可能性がある」というのは有名な話かもしれませんが、これは重力が骨の形成に関わるからだと考えられています。高齢者は、重力をかけるような運動が相対的に減るため、骨からカルシウムやミネラルが喪失しやすいと考えられています(参考文献2)

 
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