こんにちは。週末、いかがお過ごしですか?
今日は前回のブログのつづきです。

母は昔から一滴もお酒を飲めない人でした。「コップに1cmのお酒でも心拍数が上がる」そうで、若い頃は飲む練習をしてみたそうですが、すぐに諦めたそうです。

脳梗塞後、定期的に行っていた血液検査で肝臓に関わる数値が芳しくなく、「お酒も飲めないのにどうして~」と嘆きながらも、真面目な母娘はきちんと消化器内科に通い、お薬を服用していました。低空飛行の検査結果がつづき、自覚症状もなく、先生からも「このままをキープしていきましょう」と言われていました。


しかし、母の肝臓はいつの間にかグッと悪くなり、肝硬変になっていました。

カエルさんのような大きなおなかには腹水がたまっていました。
そして、本来なら肝臓で代謝されるはずの有害物質が脳に回ってしまい「肝性脳症」という症状が起きていました。たびたびぼんやりしていたり、おかしな言動があったのはこのせいだったのです。

私が感じていた異変には、ちゃんと答えがありました。


とりあえず入院となった母。一夜目にベッドから抜け出してしまったようで、足元には踏むとナースコールが鳴るマットが置かれてしまいました。
「トイレは一人で行きたいのよ」
そうね、そうよね、私がいない時は一人で行っているもんね。


入院から数日。病棟の看護師さんから「看護相談に行ってみませんか?」と、声をかけられました。

場所によって名称は様々に違うようですが、大きな病院には、患者支援のための部門があり、安心して療養できるよう、看護師や専門職の人とお話が出来ます。入院中だけでなく、通院中でも利用出来るところが多いようです。

私は正直、あまり気乗りがしませんでした。
でもなぜでしょう。母の病状で思考停止中だったせいか、つい「行きます」と返事をしてしまったのです。


どんな話から始めたのかは、あまり覚えていません。
「これまで通り、二人で、家で暮らしていたいんです。」
私はやんわり予防線を張っていました。

既に介護が始まって数年が経っていましたが、このときはまだ介護認定を受けていませんでした。
二人で暮らす家にヘルパーさんが来るようになったり、母がどこかへ通うことになるのを避けたかったのです。

母も私も、二人で、自分たちのペースで暮らしていたい。ただ、それだけでした。

周りの人たちには、私がただひたすらに無理をしているように見えていたようで(介護が始まった当時、20代だったので仕方ないのかもしれませんが)、善意ある様々な提案を断ることに、私は少し疲れていました。

お願いだから、そっとしておいてほしい。
でも、そう思えば思うほど、ある意味私は、相談できる人を失っていました。


そんな時に出会った、看護相談の看護師さん。
母の病状と、私たちの暮らしぶりを確認した後、わりと淡々と、しかしとても的確に話をしてくれました。

・今後将来的に、日本の病院のベッド数は足りなくなる。
・家で過ごす(過ごさなくてはならない)患者さんは確実に増える。
・母の病状は、ずっと変わらないかもしれないし、数時間で急変することもある。

そして、こう言い切りました。
「どうやったら、お母さんとこれからも一緒に家で過ごせるか、方法を考えましょう」

長い目で見て、どう暮らしていくか。先々の事を想定して、どんな準備をしておけばよいか。

私は話しながら、いつの間にかすっかり泣いていました。
「大丈夫よ」
看護師さんは、ちっとも私をかわいそうがらずにそう言ってくれました。
私はそれが、本当にうれしかった。


数日後、私は母に相談し、介護認定を受けることを決めました。
そして、週に1度、訪問看護師さんに来てもらうことにしました。

私は母の異変に気が付きながらも、良い方に、良い方にと考えていました。見て見ないふりをしていました。

「これからあと何年も……という訳には、いかないかもしれません」
それが、見えない身体の中の答えでした。


訪問看護師さんは、家族の外出中に、体調管理や様子見として来てもらうことが多いのでしょうか。
けれど、我が家の場合は違いました。
私の仕事の休みの日に来てもらい、母と私とそろって看護師さんを迎えます。
血圧を測ってもらったり、1週間の体調の報告などをすると、看護師さんは、母と私とお喋りして、帰っていきます。
母も私も、訪看さんが来ることに、少しずつ慣れていきました。

子育て中だった看護師さんは、母と育児話で盛り上がり、私にとっては、良いお姉さんのような存在として、我が家に少しずつ変化をもたらしてくれました。
時には、体調に波のある母を、病院に連れていくべきかどうか、電話で相談することもありました。

素人判断ではどうにもならない、プロのアドバイスが欲しいときが、やっぱりあるのです。
想像では伝わりっこない感情を、知ってほしいときもあるのです。


母は介護認定を受けるとき、私にこう言いました。
「あなたに相談相手が出来るなら、お母さんはいいと思う。」
そう言ってもらえて、本当に良かった。

訪問看護師さんが毎回書いてくれる記録。「口内炎ができてしまって…」など、ちょっとしたことも質問できて、助かりました。


最後に、全然関係ないけれど、5月に読んで良かった本を♪(ビューワーの機能を使ってみたかったのです)

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それでは、良い週末をお過ごしください♪