運動強度によって運動時間が決まる


前回は、運動量における健康への効果についてお伝えしました。では、どのような運動をすれば良いのでしょう。

多くの学会が推奨しているのは、有酸素運動と筋力トレーニングなど、複数の運動を組み合わせることです。

しかし、実際はあまり科学的な根拠が確立しておらず、特定の運動が他の運動の効果を遥かに上回るという証明は必ずしもあるわけではありません。広告などで、特定の運動が特定の病気に有効であるかのような謳い文句を見かけることもあるかもしれませんが、そこには必ずしも科学的な根拠はないかもしれません。

運動によって異なるのは、その強度、エネルギー消費です。

ウォーキングなら毎日20分強、運動習慣が健康寿命を延ばす_img0
出典:厚生労働省ホームページ(一部引用)

運動の強度には、よくMETS(メッツ)という単位が用いられますが、ボーリングやウォーキングとサッカーやジョギングを比較してみると、その強度は2倍以上になるということがこの表からわかります。

 

METSは、安静に座っている時のエネルギー消費を1として、その何倍のエネルギーを消費するかという指標です。例えば、日常生活で言えば犬の散歩や掃除機をかける動作が、約3METSと考えられています。

前回も触れましたが、推奨される最低限の運動量は7.5MET・時間/週であり、これらの運動で7.5METS・時間/週を目指す場合、軽いウォーキングや掃除機をかける動作であれば週150分ほどの運動量が必要ということになります。

さすがに週に2時間半も自宅で掃除機をかける人はいないでしょうが、ウォーキングや犬の散歩なら毎日20分強、もしくは週に3回50分ずつというのは現実的な数字ではないかと思います。

一方、ジョギングのような強度の高いものの場合には、週に1時間強で7.5METS・時間/週という目標に到達できるということになります。

 
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