これから持たない人が増えるもの2:結婚という形


手に入れなくなるものは、物質的なものだけではありません。現代は、結婚しない人が増えてきていますが、その原因のなかには、「“現代の結婚制度”に疑問を抱くようになった人が増えてきた」ところもあるでしょう。
子供の有無によっても状況は変わってきますが、現代人にとっては、お互いを縛る、窮屈な制度になってしまっているところもあるのです。

 

人生80年だとして、20、30代で出会った相手と残りの長い人生を共に歩み続けるというのは、意外と大変なこと。月日と共に人も関係も変わっていくので、出会ったときは相性が良くても、だんだん合わなくなってくることもあるでしょう。それに伴い、愛が冷めてしまうこともあれば、パートナーよりも好きになってしまう人が現れることもあり得ます。
愛している人が離れたがっている時に、その手を離せるかどうかで、自分の中にある“愛の質”が問われるものではありますが、大概、そんなときに待っているのは修羅場でしょう。
本来は、「結婚して、別れられないから一緒にいる」よりも「いつでも離れられる関係だけど、一緒にいたいからいる」ほうが、愛はあります。でも、実際は「相手と簡単に別れないようにするための保険」として、結婚を選んでいることも少なくありません。自分が別れたくない場合はいいですが、離婚を切望しているのに相手が許諾してくれない場合は、この縛りが“地獄”となります。
「結婚は、我慢と忍耐が必要だ」と言われますが、現代において、本当にその我慢と忍耐が必要なのか、は考え直したほうがいいことも。一昔前とは社会が変わり、色々な生き方ができるようになっていますしね。

それでも、夫婦で、現代に合った“新たな結婚の形”を見つけられればいいですが、多くの人が「結婚はこういうものだ」という先入観に縛られているところがあります。それで、一般的な結婚の形にこだわり、パートナーに「夫らしさ」「妻らしさ」を求め、相手がそれにふさわしくないと怒りを抱いてしまうことも。だから、結婚することで仲の悪くなるカップルも少なくありません。

特に、日本での結婚は、女性のほうが仕事に、家事に、育児にと、労働の負担が大きいことが多いし、男性は、「結婚したら、生活の世話をしてくれる人ができるから、楽になるはず」と期待している人は、少なくないもの。
こういう背景があると、現代は、女性も男性と同じように経済力を持っている人は増えてきたので、子供が欲しいという気持ちがなく、従来の結婚観に縛られていない場合は、もっと自由なパートナーシップを求めたくなってくる人もいるでしょう。
特に、選択的夫婦別姓制度が導入されない日本においては、双方が苗字を変えたくない場合、結婚を躊躇させるだけの原因になり得ます。制度的にも、時代のニーズに沿った変革が必要だと言えるでしょう。

それだけでなく、特に現代の若者は、恋愛、結婚に興味がない人が増えています。他にやりたいことがある人は、恋愛、結婚を求めなくなってくることも。人の幸せはそれぞれなので、「家族を作る幸せ」だけでなく、「仕事や趣味などで、“自分の道”を究める幸せ」もありますしね。
もう「みんなが恋愛、結婚しているから、自分もしなくてはいけない!」と思うような時代ではなくなってきている、ということなのでしょう。自分に合う生活スタイルを見つけたいものです。

次に紹介するのは、「日本人の価値観が変わってきたことで、手に入れる人が減ってきたもの」です。