また、人気モデルのベラ・ハディッドも、暗にヴィクシーを批判するようなコメントを発表。ヴィクシーのファッションショーに出演したことのある彼女は、WWDのインタビューで、リアーナのランジェリーブランド「サヴェージ ×フェンティ」のショーに出演した経験を、「あんなふうにランジェリーのショーのランウェイで自分をパワフルだと感じたのは初めてだった」と語りました。
「リアーナってすごいわ。あれは私にとって、ランウェイで初めて自分が本当にセクシーだと感じられた経験だった。なぜならフェンティのショーに初めて出たとき、ほかのランジェリーのショーではなかったと思うほど、自分にパワーがあると感じられたの」。
完璧なスタイルを求められるヴィクシーのショーと違い、フェンティのショーでは妊婦やプラスサイズなど、リアルで多様性に富んだモデルをいち早く起用したことで話題に。自分自身がセクシーと感じるために装うというフェンティのコンセプトは、男性の目を意識した「他人のためのセクシー」とは正反対なものでもあります。
恐らく、ヴィクシーのショーでモデルたちが求められたのは、「世間が求める美の基準に従った、パーフェクトなボディを持つマネキン」という役割でしかなく、そのモデル個人のパーソナリティや、人間としてのリアリティは無視されていたのではないでしょうか。だからこそ、ベラは「18歳のとき、4ヶ月間も毎日14時間働いていたの。毎朝泣いて、お昼休みにも泣いて、寝るときにも泣いていたわ」というようなメンタルに陥ったのかも。それだけ競争が激しい世界であるということなのでしょうが……。
2016年には売り上げが77億8100万円以上あり、アメリカのランジェリー業界のトップに君臨していたヴィクシー。ブランドパワーが衰退した今、このような元モデルたちの告発が次々出てくるというのは、それだけ今までは誰も声を上げることができないほどの権力を握っていたということなのでしょうね。
私たちが憧れていた、キラキラしたエンジェルたちのステージの裏にはこんな風に追い詰められたモデルたちの姿があったのかと思うと、複雑な気持ちになります。
前回記事「7月11日まで!ウィンブルドン2021の華麗なる世界に酔う」はこちら>>
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