今期もまた、ファッション誌『ViVi』による「国宝級イケメンランキング」の結果が発表されました。この企画は半年に一度、読者投票によって「国宝級だと思うイケメン」の1位を決めるもの。これまで山﨑賢人や菅田将暉、吉沢亮、平野紫耀などそうそうたる顔ぶれがキングに輝き、その都度テレビでも取り上げられるなど大きな話題となってきました。実は私もこの企画にしばしば関わらせてもらっていることから、「今期は誰がランクインしているのかしら?」と、その結果を楽しく拝見させてもらっております。ですが実を言うと最近、それと同時に一抹のやましさも感じるように……。

2018年下半期国宝級イケメンランキング(講談社ViVi主催)で1位を獲得した俳優、吉沢亮さん。写真/アフロ


女性ジャッジの基本は
海外はセクシーさ、日本は“良きお嫁さん”


長らく、ミスコンなど女性の容姿をランク付けする行事は「差別的で廃止すべきだ」という議論が活発になっています。主な批判の理由は、ミスコンはその女性の人格より主に容姿の優劣をつけるものであり、かつ、画一的な「女性らしさ」を押し付けている、というもの。たしかに、日本の大学でおこなわれるミスコンは、出場者がウェディングドレス姿を披露する場があります。これはまさしく、日本においては“良きお嫁さん”こそが美しい女性だ、という価値観が主流であることを表しています。

ちなみにミス・ワールドなど世界のミスコンでは、露出度の激しい水着審査が有名ですが、これは世界における女性らしさの象徴が“セクシーであること”だったからでしょう。しかしこれも昨今は反発や疑問の声が増大しており、廃止する大会が増えています。

 

……とまあ、こうしてあらためて考えてみると、たしかに画一的な美の基準で審査するミスコンは、何もかもが多様化している現代には大いに合わなくなっていると感じられます。私自身、いまだにミスコンを支持している人を見ると、何となく良い印象を持てないことも確かです。

ではそんな自分が、男性をイケメンだの何だの論じて盛り上がっていることは果たしてどうなのでしょう? 日本を含め世界ではミスコンだけでなくミスターコンテストも共に開催されるようになり、今や女性たちだって男性のランク付けを大なり小なり楽しんでいます。とういうわけで、これって人のことを言えるのだろうか……と、ふと引っかかり始めてしまったのです。