モデルとして、テレビ出演やラジオパーソナリティとしても活躍中の浜島直子さん、愛称“はまじ”。44歳の彼女が、ファッション、ビューティ、ライフスタイル、さまざまなジャンルで新しい自分を発見していく連載です。

今回は、40代から気になり始める更年期に向き合うために、ホルモン検査を受けることに。女性ホルモンの数値は、通常の健康診断や人間ドックでは測定されません。しかし、更年期を健やかに過ごすためには、ぜひ知っておきたいこと。そこで、ホルモンバランスに着目した女性医療を提供する「クレアージュ東京 エイジングケアクリニック」で、検査を受け、院長の浜中聡子先生から検査結果を伺いました。

 


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健やかな更年期への第一歩。女性ホルモンの数値を初検査!


ホルモン検査では、「エストロゲン」や「プロゲステロン」など9個のホルモンの数値を調べます。結果が出るのは、検査から約2週間後。特に不調を感じているわけではないはまじだけれど、やっぱり浜中先生から結果を伺うまではドキドキ……! 

 

浜中先生:「エストロゲン」の数値は、生理周期を確認した上で判断したいんですが、検査を受けた時点で、最後の生理が始まったのはいつですか?

はまじ:検査を受けた時は、生理中でした。

浜中先生:だったら、何も問題ないですね!

はまじ:本当ですか!? よかった~! 生理周期を質問なさったということは、検査を受けられない時期などがあるのでしょうか?

浜中先生:生理の周期を把握してさえいれば、大丈夫です。ホルモンドックではバリウム検査のように前日から絶食しなければいけないといったこともありませんので、ご安心を。エストロゲンの数値は、更年期に近づくと急激に低下するのですが、浜島さんは正常範囲内。特に更年期を疑えるようなデータ上の兆候もありません。


女性ホルモンと更年期治療について知ろう


はまじ:エストロゲンとプロゲステロンは、よく聞く女性ホルモンですが、もう少し詳しく教えていただけますか。

浜中先生:いい質問ですね。実は、ホルモンのことをよく知らない人が多いのですが、ご自身の体を上手にコントロールするには、知識はとても大切。エストロゲンというのは、排卵期に向かって分泌が増えます。そして、排卵期以降にはプロゲステロンが増えていきます。エストロゲンとプロゲステロンの増減のバランスが崩れると、月経前症候群(PMS)は起こると考えられているんです。月経前症候群の症状はさまざまですが、エストロゲンが不足すると、気分がのらない、落ち込みがちになるといった、いわゆる〝ダウン系〟の症状が現れやすいですね。疲れやすいというのもそう。プロゲステロンの分泌が低いと、イライラしたり、やたら甘いものが食べたくなったりします。

はまじ:「疲れやすい」と「甘いものが食べたくなる」は、心当たりがあります。

浜中先生:浜島さんのように、必ずしも、エストロゲンとプロゲステロンの症状がはっきりとわかれて現れるわけではないんです。なので、ちゃんと数値を測って、どちらが優位で、どちらが足りないのかはっきりさせて、ホルモンを補充するというのがホルモン補充療法の正しい流れ。ホルモン補充療法というのは、更年期の症状を和らげるのにも使われているんです。

はまじ:なるほど。ピルを飲み続けていると、更年期の症状をコントロールしやすいという話を聞いたことがあります。これはどういった仕組みなんでしょうか?

浜中先生:女性ホルモンが急激に減ると更年期の症状が現れるのですが、ピルを飲んでいると、減少がなだらかになり、ホルモンの数値が安定するんです。そのため、「更年期がきたのかもよくわからないまま過ごせた」という方もいます。ただ、ピルの服用は血栓や発がん性のリスクを心配する方もいますよね。そうした不安にもきちんと対応すべく、予め婦人科検診を行い、腫瘍マーカーなどの血液検査項目もみた上でホルモン補充療法の適応を考えていきます。

はまじ:むやみに更年期を怖がらなくてもいいということですね。

浜中先生:その通り! 生理痛や更年期の症状は我慢するもの、というのはもう昔の話です。そのほかにも、漢方もひとつのアプローチですし、今は、いろんな選択がありますから、婦人科の先生とよく相談して、ご自身の希望を伝えることが、生理や更年期をストレスフリーに過ごせることにつながります。


女性は骨密度のチェックが欠かせない!

浜中聡子
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック 院長
医学博士。国際アンチエイジング医学会(WOSSAM)専門医、米国抗加齢医学会(A4M)専門医、米国先端医療学会(ACAM)専門医[などの資格を取得。 女性の頭髪に関する悩み(抜け毛・薄毛・育毛・白髪など)から更年期・女性ホルモンといった悩みを専門分野として治療を手掛けている。


浜中先生:更年期の症状を和らげるホルモン補充を考えるうえで、もう一つの指標として、骨密度があります。浜島さんは、まだまだ問題ないですが、女性は更年期に入ると骨密度がぐっと下がるんです。骨密度が低い人は、病的骨折などを招かぬよう、早めの対策、治療がとても大切です。骨粗鬆症の治療はとても進んでいますから、リスクを早く発見すれば、それだけ治療も早く始められ、健康的に過ごせる期間が長くなりますよ。

はまじ:ホルモンの観点から、骨粗鬆症のリスクを考えておくことも、大事なんですね。私は年齢を重ねても、スムーズに動ける自分でいるというのが目標なので、参考になります。

浜中先生:女性の場合、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるパセドウ病、逆に不足する橋本病などを発症しやすく、甲状腺ホルモンの数値も大事です。ホルモンドックでは、こちらも調べるのですが、浜島さんは問題ないですね。

はまじ:よかったです!

浜中先生:甲状腺ホルモンのお話をもう少しすると、どうにもやる気が起きないという方が検査をしたら、甲状腺機能に異常が見つかることがありますので、甲状腺ホルモンも定期的に調べておくといいですね。また、年齢を重ねていく中で、定期的に調べておきたいのが、血管の状態です。無自覚のまま血管が硬くなったり詰まったりして、突然、大きな病気を発症することがあります。こちらも、浜島さんは実年齢相応で、問題ありませんでした。

 
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