検査結果の診断年齢は、若ければいいわけではない!

これからの人も、真っ最中の人も。「更年期」の上手な乗り切り方とは?_img1
 

浜中先生:実年齢より若い方がいいんじゃないかと思う気持ちもわかります。時々、体育の先生など、ものすごく若い年齢が出る方もいらっしゃいますが、いろいろある検査結果のどれかひとつだけが若くてもあまり意味がないんです。むしろ、どこかひとつが極端に若いと、そこが他の部分への負担になることもあるんです。最も大切なのは、ホルモン、筋肉、骨、血管、神経など、すべてのトータルバランス! トータルでバランスが取れているほうが、キレイに加齢できますし、更年期やさらにその先も、ラクに過ごせます。

はまじ:トータルバランスが、健康や美にとっては大切なんですね!
 

更年期は「年のせいだから……」と諦めなくていい!


はまじ:ホルモンドックを受けて、今は問題ないことがわかり安心しましたが、やがて迎える更年期はつらいのではないかという不安が拭えません。

浜中先生:たしかに、女性が更年期に差し掛かる時期は、ご自身に変化が起きるだけでなく、たとえばお子さんがいらっしゃる方なら難しい年齢になったり、親御さんの介護が必要になることも。また、仕事でも責任ある立場になったり、いろんなことが重なり、いっぱいいっぱいになってしまうこともあるでしょう。性格的に完璧主義な方ほど、ストレスを抱え込んでしまったりもします。更年期をつらくする環境要因は人それぞれですね。

はまじ:いろんなことがいっぺんに起こったら、心身ともにツライですよね……。

浜中先生:そうなんです。しかし、今は、決して更年期のツラさを我慢する時代ではありません。いまだに「年のせいだから仕方がない」と他のクリニックの先生から言われたという方がうちに来ますけど、仕方なくないんです! 確かに、昔は治療法がなかったですし、なかなか人に相談もできず、ご自身で抱え込んでしまった方も多かったと思います。そうした方が母親なり身近にいると、〝更年期=ツライ〟というイメージを強く持ってしまいがちですが、今はホルモン補充療法をはじめ、いろんな治療法があります。是非、信頼できる先生にご相談してみてください。

はまじ:そういってもらえて安心しました。ホルモン補充などの治療法は、更年期の症状が出る前に始めたほうがいいのでしょうか。

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浜中聡子
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック 院長
医学博士。国際アンチエイジング医学会(WOSSAM)専門医、米国抗加齢医学会(A4M)専門医、米国先端医療学会(ACAM)専門医[などの資格を取得。 女性の頭髪に関する悩み(抜け毛・薄毛・育毛・白髪など)から更年期・女性ホルモンといった悩みを専門分野として治療を手掛けている。

浜中先生:ホルモンがガクッと減ることで更年期の症状が出始めます。なので、少し下がり始めた頃から対応しておくと減少が緩やかになり、症状は緩和されます。早めに対応したほうがいいですが、もしすでに更年期の症状が出ている方でも対応することはできますよ。

はまじ:そうなんですね。私は昔からものすごく汗っかきなのですが、更年期に汗をかく症状も同じような感じでしょうか。

浜中先生:更年期の発汗は、ふつうの汗のかき方とは全然違います。上半身だけさ~っ流れるようにかき、ひどい方は、寝ていてもゾクッとするほど汗が流れてきて、着替えないといけないくらいの量です。発汗やほてりは、日本人の女性が最も感じやすい更年期症状ですが、最も治療が効きやすいものでもあります。

はまじ:治療法があると聞くと、安心できますね。ちなみに、男性にも更年期はあるんですか?

浜中先生:「ある」という先生もいらっしゃいます。ただ、女性は閉経に向かって、ある程度均一にホルモンの分泌量が下がっていきますが、男性は個人差が非常に大きく、30歳で60歳レベルという方がいる一方で、70歳でもかなりの高数値をキープしている方もいます。男性の場合、専門の更年期外来がないので、更年期症状をただやる気がないと捉えられる場合もあるかもしれません。


早めの検査は、未来の健康と美への先行投資!

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はまじ:私は今回、44歳でホルモンドックを初体験しましたが、いつから受けるといいでしょうか?

浜中先生:40歳から始めるといいですね。もし、生理が重かったり、ひどい痛みを感じる方は、年齢に関係なく、早めに婦人科で相談してください。

はまじ:どのくらいのペースで受けたらいいですか?

浜中先生:環境やライフスタイルが変わらなくても、ガクッと数値が落ちるのが更年期です。今、問題を感じなくても、40歳から1年に1回、定期的に受けて、ご自身の状態を知っておくことはとても大切です。早めに検査して、変調に気づければ、ホルモン補充療法にしても、低用量で済むことがあります。備えあれば、憂いなし! 

はまじ:3回にわたって先生のお話を伺ってきて、そのことをとても実感しています。今の自分の状態を知ることができて、安心できましたし、検査が自分の健康を考える、いいきっかけになりました。これからも定期的に受けようと思います。

浜中先生:若い時は、健康であることが、ある意味当たり前じゃないですか。でも、年齢を重ねてくるとそうはいかないんですね。年齢とともに、健康が美に直結することを実感してくるはず。健やかに、美しく生きていくための先行投資として、ホルモンドックを知っておいてもらえるといいかなと思います。

撮影/木村敦
スタイリング/亀甲有希
ヘア&メイク/ナライユミ
取材・文/小泉咲子
構成/幸山梨奈


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