ストレスに負けない脳を育む魔法の言葉とは?

 

安心できる環境をつくることと、ストレスに強い脳をつくることが同時にできる、魔法のような言葉があります。

その言葉とは以下の3つです。

1.「どうしたの?」(「なにか困ったことはあるの?」)
2.「君はどうしたいの?」(これからどうしようと考えているの?)
3.「何を支援してほしいの?」(「先生になにか支援できることはある?」)

これは全国の学校や家庭、職場ですぐに使うことができます。

 

第1の言葉がけの「どうしたの?」で、子どもの置かれている状態を言語化してもらいます。自分の内面に意識を向ける訓練にもなる言葉であると同時に、子どもが何をしても頭ごなしで叱らない、ことがポイントです。

第2の言葉がけの「どうしたいの?」で、子どもの意志を確認します。自分の置かれた状態を解決するための方法を、頭のなかで考えてもらうためのきっかけづくりです。

第3の言葉がけの「先生にできることはある?」で、問題解決の手助けをします。実際には大人から選択肢を与える形になることが多いですが、どんな支援を受けるのか、もしくはそもそも手助けを受けないのかを判断するのは子どもです。同時に、教員がサポートをする意志を表明することで、子どもも「先生は味方である」と認識するようになり、それがさらなる心理的安全性に寄与します。

3つの言葉がけを大人が繰り返すことで、結果的に子どもはひたすら自己決定をするしかない環境に置かれることになります。ポイントとしては「子どもを頭ごなしに叱らない」ことと「子どもに決めさせる」という2本柱を同時に実現していることでしょう。この2本柱が同時にあることで、「あ、この学校は失敗しても大丈夫なんだ。やり直せばいいんだ。いろいろなことにチャレンジできるんだ」という安心感が生まれるのです。(工藤勇一さん)