モデル、コラムニスト、ラジオパーソナリティなど、多岐にわたって活躍するミモレ世代のクリス-ウェブ佳子さん。私服コーディネートを見せていただきながら、ファッションへの熱く深い思いを語ってもらいました。
「私が子供の頃、一度だけ夫婦喧嘩が原因で母がプチ家出をしたことがありました。そのときに着ていたのが、私が着ているこのジャケットです。いわくつきの一着ですが(笑)、母のクローゼットに並んでいる中で、私が最も好きだったものです。
昨年のステイホーム期間中に母がクローゼットの整理を始めたことでわが家へやってきました。整理しながら次々に母から『コレ着る?』とLINEで写真が送られてきて、その中で娘たちの審美眼にかなったものだけ、実家から送ってもらったのですが、その中にこのジャケットも入っていました。私が好きだと思っていたものを娘たちもいいと思ってくれたことも嬉しかったし、いつかは欲しいと思っていたジャケットが偶然にもやってきたことに感激しました。
サイドの深めのスリット、丈感、そして玉虫色の裏地、どれも今着たくなるディテールが詰め込まれた一着です。もう数十年前のものですが、母が丁寧に着ていたので今もきれいなまま。好きなものを長く丁寧に着るという考えも母から私に受け継がれています。ファッションは大好きですが、かなり慎重で、私自身も長く着たいと思えて、娘たちに受け継ぐことができるアイテムだと思えたものだけ購入するようにしています。欲しいと思ってから1週間くらい寝かせることもしばしば。
大切なジャケット、私ならどう着ようかと考えて、今日はドラマ『マイアミ・バイス』のドン・ジョンソンをイメージしたコーディネートしました。ちなみに合わせているデニムも母からのおさがり。こちらは最近購入したもののようですが、私の元にやってきたので、ブリーチして白デニムにしました」(クリス-ウェブ佳子さん)
ヘア&メイク/chiSa(SPEC)
スタイリング協力/伊藤あかり
構成・文/幸山梨奈
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