双子は自宅療養、次男は入院先が決まるが……


絶望感に包まれた時間でしたが、そうこうしている間に次男が1日半ぶりにかなりしっかりと昼寝をしてくれました。眠って体力を取り戻したのか起きるとかなり症状が緩和していました。「もしかしてコロナ由来の発熱ではなく夏風邪なのでは……」そんな疑いが脳裏をよぎります。

 

我が家は東向きで真夏はエアコンをつけていても熱中症になりそうなくらいに熱が篭ります。コロナで医療体制が逼迫し、熱中症患者の輸送先が決まらないというニュースなどを見聞きしていたため、この時分はちょっと神経質なくらい熱中症に注意していました。ただ、私は7月頭からずっと室内にいて最早暑さ寒さの感覚が鈍っていたため、自分はすごく寒くて長袖長ズボンに靴下を履いていました。汗っかきな子どもたちの適温がわからず、ちょっとエアコンを効かせ過ぎていた可能性がおおいにあったのです。

でもいかんせん未知のウイルスなので、安易に素人が判断するわけにはいきません。引き続き気をつけて診ていかなくては、と気を引き締めます。

夕方、保健所から電話があり双子は無症状という判断になり自宅療養に決まりました。急に悪くなることも考えられるので手放しには喜べませんが、手元に置いておけることにホッとしました。

次男の入院先はこの日は見つかりませんでしたが、お昼寝以降かなり回復していたので今晩は越せるだろうと思いました。

翌朝、3人共元気でまるでいつもの朝のようでした。でも油断してはダメ……と気を引き締めます。すぐに保健所から「一番下の息子さんの入院先が決まりました」と連絡が入りました。少し離れた区の総合病院でした。

具合が良くなってきているので、手放したくない気持ちが芽生えますが、もしもがあっては大変。「お願いします」と伝えました。

しかし直後に病院の方から持ち物などの連絡があり、話しているとどうも会話が噛み合いません。まずはひとりで入院させ、夫の退院後に私も付き添いで入院させていただくというオーダーでご調整いただいていたのですが、こちらの病院はコロナ患者に限っては付き添い入院が認められないとのことだったのです。

そして一度入院してしまうと例のルールで最低でも1週間以上退院出来ないことになります。面会も出来ません。

今この時点で次男の具合が悪ければ藁にも縋る思いで腹を括ったと思いますが、通常モードに戻りつつある今、いきなりひとりで入院させられてしまうことのほうがしんどいのではないか……。彼もきっとそうだし、私もとっても決心出来ません。

未知のウイルスなので急変することもある。こちらの希望が叶う病院がすぐに決まるとも限らない。でもやっぱりどうしてもひとりで入院させることのほうが心配で保健所の方にも病院の方にも頭を下げ、一旦見送りということにしていただきました。

ここでも皆さんお忙しいのに、急かしたり脅したりすることなく母親である私の気持ちに寄り添ってくださり本当に有り難かったです。
 

(次回につづく)
 

構成/露木桃子

 


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