今回からは、認知症の予防法について考えていきたいと思います。病気は予防できるなら予防するに越したことはありません。
病気の「予防」というのは常に「治療」に勝るほど重要なステップです。これは、交通事故とそれによる怪我を例に挙げれば分かりやすいかもしれません。
医療が発達しても交通事故は防げない
残念ながら、車に乗っている限り、交通事故は完全に防げるものではありません。しかし、シートベルトを締め、エアバッグを装着することで、万が一事故にあってしまっても衝撃を抑えたり、怪我を軽減したりすることができるでしょう。あるいは、自動車に衝突被害軽減ブレーキなどの安全運転支援システムを搭載することで、衝突事故そのものも減らせるかもしれません。
これらは、事故や事故による怪我をゼロにするものではないかもしれませんが、安全性を高めてくれることに疑いの余地はありません。ここで言うシートベルトやエアバッグ、自動車の衝突被害軽減ブレーキなどが全て事故による大怪我という病気の「予防」にあたります。
一方、医療も発達してきていますので、大きな交通事故が起こり、仮に頭の中に出血を起こしてしまっても、手術の成功率が向上したため、頭の中の出血で命を落とす人の数は減り、助かる人は増えたと思います。
しかし、いくら治療成績ばかりが向上したとしても、交通事故や怪我の確率を変えることはできません。怪我をした人の命をどのぐらいの確率で救えるかという戦いをしなくてはなりませんし、命は救うことができたとしても、後遺症に苦しむ人は減らせないかもしれません。
このような理由から、治療の向上はもちろん重要なピースではあるものの、シートベルトやエアバッグを装着しなくていい、予防はいらないということにはならないとお分かりいただけると思います。
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