東京五輪と、K–POPグループのBTS。どちらも最近、私が思いがけずハマったもの。実は今までの長い人生で、オリンピック(というか、TVでのスポーツ観戦全般)にも韓流にも、アイドルグループにも興味を持ったことがなく。

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新曲「Butter」発売記念グローバル記者会見でのBTS。写真:アフロ

どちらかというと、そういうものに熱狂する人々がうらやましいなあという、傍観者的立場から見ていました。それがここに来て、突然開眼してしまったのです(尚、BTSについては新米ファンですので至らない点はご了承くださいませ)。

 

「私はオリンピック観ないと思う〜。興味ないし」と言っていたのに、たまたまTVをつけたときにやっていた卓球混合ダブルス、スケボー女子ストリート、スケボー女子パーク、体操男子団体総合、スポーツクライミング女子などで、ことごとく日本選手が素晴らしいパフォーマンスを見せ、メダルを獲得して行くさまを目撃。それからはすっかり、TV中継のタイムテーブルを毎日チェックしてリアルタイムで観戦三昧。「日本のアスリートってこんなに強かったの!?」と驚くと同時に、選手たちのメンタルの強靭さにも心を打たれました。

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東京五輪2020 スポーツクライミング女子複合 決勝・リードでの野口啓代選手。16年前、まだほとんどの人がスポーツクラミングを知らない時代に競技を始め、指紋がすり減って指紋認証できなくなるほどに練習を重ねてきた野口選手は、今大会で引退。親友でありライバルである野中生萌選手は銀メダル、野口選手は銅メダルを獲得し、ふたり揃ってメダルを獲るという夢を叶えました。写真:松尾/アフロスポーツ

開催国の日本では、コロナの感染者が一向に抑えられない中での五輪開催に批判的な意見もあり、直前まで本当に開催されるかどうかもわからないまま、アスリートたちは1年間延期になったオリンピックに向けて練習を重ねて来ましたた。先が見えない状況で、自暴自棄になりたくなった瞬間もあるはずです。

5年間の集大成が一度の大会の結果で判断されるという過酷なオリンピックの舞台はプレッシャーも相当なもの。そんな中で最高のパフォーマンスができるというのは、ほかのものを犠牲にしてまで、文字通り血が滲むほどの努力を練習に捧げて来た証し。

メダル候補と見られていた優秀な選手たちが本番でミスをしてしまうのを目の当たりにしても、本番で勝敗を決めるのは持って生まれた才能以上に、どんな場面でも安定したパフォーマンスが出せる能力。そのためには圧倒的な練習量とそれに裏打ちされた精神力の強さが必要なのだということが、素人の私にも想像がつきました。

卓球の混合ダブルスに出場した伊藤美誠選手は、五輪が1年延期になった後、腕がアザだらけになり、足の裏はマメが潰れて皮が剥がれるほどに練習に打ち込んで、自分を追い込んだ時期があったそう。どれだけの練習量を重ねたらそこまでになるのか、ちょっと想像もつきません。けれど、この5年間、自分の全てを卓球に注いできたからこそ、対中国の決勝で、あんなふうに笑顔を見せて試合を楽しむことができたのでしょう。

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東京五輪2020 卓球混合ダブルス 決勝での水谷隼選手、伊藤美誠選手。写真:西村尚己/アフロスポーツ

スケボー女子パークで金メダルを獲った四十住さくら選手が「後悔ないくらい練習してきたので、それが結果につながったと思う」と言い切ったのも同じ。「スケボーが好き!」という純粋な情熱から、1日12時間もスケボーの練習に費やしてきた彼女だから、自分を信じて決勝戦で「540(ファイブフォーティー)」という大技に挑み、見事成功させたのです。

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東京五輪2020 スケートボード女子パーク 決勝での四十住さくら選手。19歳という若さで金メダリストに。1日8時間も滑り続け、和歌山から神戸の練習場に母親の送迎で合計3時間もかけて通っていた時期もあったそう。好きだという情熱がないと、ここまでできませんよね。写真:YUTAKA/アフロスポーツ


競技に感動し、またメダル獲得後のニュースによって選手たちの努力エピソードを知るにつれ、「何でも、結果を出す人というのは人一倍努力をしてきた人たちなのだな」と、己の怠惰さを反省することしきり。

そしてオリンピックの開催期間中と同時期に、何気なくYouTubeで再生したBTSの新曲「Permission to Dance」のMV。これを観たときにも衝撃を受けたのです。

 
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