“弱い敵は最良の友”って本当なのか?
「弱い敵は最良の友、嫉妬深い友人は最悪の敵である」。
19世紀ロシアの哲学者のこの言葉、対人関係にまつわる1つの本質を突いているようで、妙に心に引っかかります。「弱い敵は最良の友」これは、脳科学の世界で“下方比較”と呼ばれるもので、自分の方が少しだけ恵まれていると思える相手との比較は、とても自然に脳に喜びの反応が起きてしまうという、ちょっと悲しい人間の性。一方でこれ、誰にでも起こりうる現象で、決して恥じることではないのだとか。
ただ、あえて“下方比較”に偏った人間関係に向かっていくのは、ひどく貧しい人間になりそうで、やっぱりまずい。
かといって自分より上の人間とばかり関わるのも、向上心を高める一方、自尊心を傷つけるから、どちらに偏ることも避けたいわけです。
特に“上方比較”に関しては、自分より恵まれた人がちょっとでも不幸になると、ホッとしてしまうような問題感情も生まれやすく、これまた自分を追い詰めるはず。いやそもそもが、対人関係で上だの下だの考えないことが1番なのだけれど。
一方、同じレベルの人間との間には、ある種の緊張感があり、小さな事でもお互い比較を避けられない状況にあるのは確か。そこに自分自身の嫉妬深さを見つけてしまうこともあるのでしょう。もちろん、親しい人から思わぬ嫉妬を受けて苦しむことも。「嫉妬深い友人は最悪の敵である」。まさにそれを実感してる人が少なくないはずなのです。
ただどちらにせよそれは、人として当たり前の感情。であればこそ、そこから速やかに逃れる術を知っておくべきなのです。それを知らずに生きれば、何かにつけてその悪しき感情に深くハマり、いちいち苦しむことになるはず。その差は運命を分けるほどに大きいからこそ、なんとしても回避すべき問題。
ともかく全てひっくるめて嫉妬の感情なんて邪魔なだけ。まっとうな判断を狂わすだけ。そして全く意味なく自分を苦しめるだけ。消し去る方法ってないのでしょうか?
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