コロナ禍で災害が起きた時に心配なのが、避難所での感染症クラスターです。現在自治体では、「避難場の過密状態を防止するため、在宅避難、親族・友人宅への避難を優先する『分散型避難』を推奨しています」と教えてくれるのは、防災士の草野かおるさん。イラストレーターであり、防災士でもある草野さんの著書『おうち避難のための マンガ 防災図鑑』は、この「在宅避難」に役立つ知識を詰め込んだ一冊です。

日常の延長線上にあるかのように思える「在宅避難」も、断水や停電、災害による物流の停止が起きれば、パニックになりかねません。いざという時に慌てないためには、家族一人ひとりが防災知識を身につけておくことが大切です。そこで今回は本書から、コロナ禍の今こそ知っておきたい災害時の「在宅避難のコツ」を、一部抜粋してご紹介します!

 


非常時の「在宅避難」感染症対策


こまめな手洗い・うがいが推奨されるコロナ禍。災害が発生して断水や停電になっても、なるべく清潔に過ごすためにはどうしたらいいのでしょうか? 新型コロナウイルスだけでなく、雑菌が繁殖しやすい暑い季節の在宅避難生活は、心配事がいっぱいです。そこで草野さんは、いくつかの簡単な対策を教えてくれます。


①基本の手洗い


在宅避難中でもしっかり行いたい手洗いは、災害時にこまめに洗濯ができなくなる「タオル」を使わないことがポイント。
1分間のせっけんでの手洗い後に、使い捨てのペーパータオルで手を拭きましょう。

 


②トイレ後の手洗い


災害時のトイレは手や指が汚れがちになります。アルコール消毒液やウェットティッシュを用意して、手をしっかり消毒します。
トイレや家の中の掃除用には、使い捨てのビニール手袋があると便利。

 


③食事にも注意!


非常時には配送に時間がかかる場合も。配給されたお弁当なども、匂いを嗅いで異常がないかを確認するなど、疑ってかかることが大切です。
家にカセットコンロと余った食材がある場合は、しっかり火を通して加熱し、菌やウイルスを殺すこと。
使う食器は家族で分けて共用しないようにしましょう。

 


④お口の手入れ


断水で飲料水が貴重な場合や歯ブラシがない時は、食後に30ml程度の水やお茶でしっかりうがいをしたり、ティッシュを指に巻いて歯を拭い、汚れをとるだけでもスッキリします。
あごの付け根=耳の真下の部分をマッサージしたり温めたりすれば、だ液が出て口内環境の維持につながります。
特に高齢者の方は、口内環境の悪化が「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を招き亡くなることも。避難生活中でも、お口の手入れは忘れずに行いましょう。
 

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参考:防災の役に立つ100均アイテムいろいろ
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