最近よく目にする「HSP」という言葉。「Highly Sensitive Person」の略で生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人を意味しますが、実はこの言葉に救われたという人も多いのではないでしょうか。
人づきあいが苦手なのは「他人の顔色をうかがいすぎて疲れてしまう」からなのに、人間嫌いとか冷たいとか見られて苦しんでいた人にとっては人生を開く福音となったでしょう。そういう人であれば、医学博士・高田明和さんの著書『HSPとひきこもり 「自分を生きる」ためのひきこもり=「ソロ活」のすすめ』を読めば、さらなる励みに出会うことができると思います。
というのも、本書ではHSPとHSPの人が陥りがちな「ひきこもり」との関係を科学的に捉え、両者ともコロナ禍で先行き不透明な社会を生き抜くために必要な性質および行為であると肯定的に見ているからです。
なぜ、ネガティブに見られがちなひきこもりが時代に求められているのか? 気になる中身をさっそく見ていきましょう!
HSPとひきこもりは今の時代に求められている
心が傷ついて閉じこもってしまう人の多くは、敏感なHSP気質を持っていると私は確信しています。そうでなくては、どうして他の人が気づかないリスクをキャッチして、その場所から逃げたりするでしょうか。
HSPはみな「炭鉱のカナリア」。リスクを先取りしているのです。そういう意味でひきこもりは、今の社会、今の時代に警鐘を鳴らす存在でもあるのです。与えられた敏感さを捨てないままこの社会で生き抜くにはどうしたらいいだろう。HSPの概念を知り、自分もその一人と自覚して以来、私はそれをずっと考えてきました。今も考え続けています。
ひきこもっている子は、優しい子なのです。その弱さゆえ今の世の中に翻弄され、そして抗い、なんとか生きようとしているのです。もし、あなたがひきこもりの子の親であるなら、そんな子どもを愛情を持って忍耐強く見守り、時が来るのを待ってあげてください。
そして、もしあなたがひきこもっている本人なら、自分を愛し、忍耐強く本来の自分、「もう一人の自分」の登場を待つことです。
ひきこもりは自分を責めなければならないような行為ではないし、家族を苦しめるものでもない―。
そんな時代が近いと感じています。それどころか私はむしろ、ひきこもりの傾向を持っている人のほうが、より自分らしく生きられ、自分の才能を発揮できる可能性が高いとさえ思っています。
【参考】ひきこもり状態になったきっかけとHSP度チェック
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※広義のひきこもり(1P目)=「ふだんは家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない」のいずれかであると回答した人(狭義のひきこもり)+「ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」と回答した人(準ひきこもり)
※HSP度チェックの結果(2P目)……12個以上当てはまる人はHSPと診断できる。それより数が少なくても、ひとつの項目の度合いが強ければ、HSPである可能性は高い(アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱)
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