先日、100歳以上の高齢者が、過去最多の8万6510人になったというニュースがありました。「人生100年時代」の話を聞いてあまりピンとこなかった人も、「思った以上に長生きをする時代なのかも……」と感じ始めているかもしれません。
そこで気になるのが、老後資金。実は人によって、準備すべき金額が異なるのです。今回は『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』(主婦の友社)から、多めに準備したい人、少なめでも大丈夫な人について、お伝えします。

 


「老後資金2000~3000万円」が、正しいとは限らない


「老後資金をどれくらい用意したらよいのか」「自分の場合はどうなのか」と気になる方は多いでしょう。一般的には、2000~3000万円と言われますが、あくまでもこれは目安です。

もし、夫婦で受け取る年金が月22万円で、毎月27万円を使う場合、とりくずす貯蓄は月5万円です。退職後の人生を30年と仮定すると(例えば、65歳で退職して95歳まで)、5万円×12か月×30年間で、1800万円が必要になります。

介護費用など、一時的な大きな支出も考えると、2000~3000万円が目安になるわけです。

 


少なくてもいい場合、多く必要な場合と人によって異なる


老後資金の一般的な目安は2000~3000万円だとお伝えしましたが、あくまでも、一般的な金額です。この目安よりも「少なくていい場合」と「多く必要な場合」があります。

少なくてもいい場合は、それ以外に収入を得られる仕組みがあるか、支出が少なくて済むケースです。

例えば……
●退職金がたくさんもらえる(夫婦共働きで、2人とも退職金が多ければ、老後資金はそれだけ少なくて済む)
●定年以降も収入を得られる仕組みがある(副業でいくらか稼げるか、フリーランスになるなどで収入を得られる見込みがある)
●将来実家などに移り住む予定(家賃が不要になる)
●地方移住の予定がある(住居費が安く済む場合)
という人が当てはまります。


一方で、老後資金が多めに必要な人もいます。支出が多く見込まれる場合や、一般の人よりも退職金や年金が少ないケースです。

例えば……
●ずっと賃貸住まい(大きな住居費がずっとかかり続ける)
●ゆとりのある老後を送りたい(定期収入がなくなっても、生活費の節約などはしたくない)
●フリーランスなど、受け取る年金が少ない(退職金や年金制度が手厚くない会社員も含む)
という人が当てはまります。

さて、あなたの場合はいかがでしょうか。

 
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