好きになってはいけない男だと、わかっていても
「ナビよ、目を覚ませ! と、主人公を叱咤激励したくなりました」と語るのは、韓国ドラマ通の雅美さん(40)。主人公ユ・ナビに対して、まるで過去の自分を見ているかのような気持ちを抱いたと言います。
「パク・ジェオンみたいに、行動は最低なのに、それに目を瞑りたくなるくらい魅力的な男を好きになってしまうと、地獄なんです。『こんな関係はよくない』ってわかっているのに、どうしても抗えないんですよね。
私は30歳くらいの頃、ジェオンのような男性を好きになってしまったので、よくわかります。後になって自分の愚かさに気づき、本気で後悔しました。だから、ナビがどんどん彼に惹かれていって、沼にハマっていく過程を見ながら、『お願い! 踏みとどまって!』と叫びそうになりました」
ジェオンは超モテ男ですが、特定の彼女を作らない主義。安定した恋愛がしたい女性からすると、好きになってはいけない男です。
しかし、好きになってはいけないと“わかっていても”、それでも好きになるのを止められない気持ち。大昔の青春時代に経験したので痛いほどわかる……! という女性は多いのではないでしょうか(私もそのうちの一人です)。
「特にドラマの前半は、ジェオンがナビを誘惑するたびに『体の関係だけは絶対に持たないほうがいいよ!』と、ハラハラして見ていました。
ジェオンのような男性は、たとえ深い関係になったとしても彼女は作らない主義。いわゆるセフレ止まりなのが目に見えていたんです。女性は体の関係を持ってしまうと、逆に気持ちが入ってしまうので、余計辛くなるだけなんですよね……」
本命彼女に昇格するのは難しい、とわかっていても
冒頭でも触れたとおり、「セフレから本命彼女に昇格する方法はあるのか」は、恋愛における難問のひとつ。『わかっていても』がウケたのは、同じような悩みを抱える女性の心を刺激したからでしょう。
現実的にその問題に答えを出すのなら「昇格するのは不可能ではないが、かなり難しい」なんですけれどね。
同じく本作品にハマったという美奈子さん(41)は、ドラマを見て自身の昔の恋愛を振り返り、「とにかく反省させられた」と語ります。
「周りの友人は見ていてイライラすると言っていたけれど、私は反省しかありません。ナビを見ていると『ああ、また流されちゃうんだ。バカだなあ……』と思いますよね。普通はイラつくでしょうけど、私自身、独身時代にこういう不毛な恋愛を繰り返し、クズな男性にばかり振り回されていたので、客観的に見ると自分もこんな感じだったのかなあ、と痛々しい気持ちになりました」
ナビはジェオンの誘惑に弱く、何度決意してもすぐ流されてしまいます。それが私たち視聴者を何度も苛立たせるのですが、それでも不思議と、最後までナビを見放すことなく見届けたいと感じました。
その理由として、美奈子さんはナビの性格に好感が持てたからだと語ります。
「ナビに好感が持てたのは、彼女が流されやすいように見えて、実は自立した性格だからですね。たとえこの関係がうまくいかなかったとしても、相手のせいにするのではなく、自分のせいでもあると割り切っています。そこは自分との違いだなあと思いました(笑)。昔の私は、遊び人の男に振り回されて、被害者意識ばかり抱いていたので……」
確かにナビは、一見意志が弱そうに見えるのですが、実は「自分でした選択は自分で責任をとる」という強さがあります。よくありがちな「どうして私がこんな目に」とか「あの人のせいで不幸になった」などの他責思考が一切ないのです。
ふと、周囲でたまにいる「曖昧な関係から交際に発展した」経験者の友人を思い浮かべてみたところ、全員がまさにこの“他責思考ではないタイプ”。もしかしたらそれが「本命彼女に昇格する」秘訣なのかなあ……なんて思いました。
『わかっていても』は大学生が主人公なので、内容も少し若いドラマなのかと先入観を抱いている方もいるかもしれません。
しかし、これまで不毛な恋愛に振り回された経験を持つ人や、「男を見る目がない」と言われたことがある人、「あの人だけはやめておいた方がいい」という相手を好きになった人など、過去に恋愛で痛手を負った人なら必ず楽しめます。
ちなみに、二人の濃厚なラブシーンがあまりに美しすぎることでも話題になりました。
『わかっていても』、ぜひご覧ください。
この記事は2021年10月8日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。
前回記事「離婚してからますますパワーアップ!“超モテるアラフォー”ソン・ヘギョの魅力」>>
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