東京で再会したアキとユウ。続かない会話。少ない笑顔。もうこれで終わりかなと思っていた矢先、ユウから「俺ってアキちゃんにとってどういう存在?」と聞かれ……

 

「この人は私に振り回されない、そう思って何故かホッとした」

というのも、実は私、ダメな男を好きになるダメンズウォーカーならぬ、付き合った人がダメになっていくダメンズメーカー(そんな言葉あるのかしら?)だったんです。

付き合うと、彼氏がバイトを辞める or 学校をやめる or 仕事を辞める……。

今ならその理由はハッキリわかります。それは私が「夢を全力で応援してしまう女」だから。彼氏が「本当は〇〇になりたいんだ」と一言でも口にしようものなら……やろうよ!できるよ!応援するよ!どうする?こうする?よしやろう! 

一瞬で彼氏のやる気を追い抜いちゃうんです。

その頃の私は分かっていなかったんですよね。人の心のなかには、実際になりたいわけではないけれど、なんとなく惹かれる「憧れ」というものがあるということに。

そんな甘美な「憧れ」を乱暴に引きずり出そうとすれば、それはもちろん嫌がられるに決まっています。ついて行けないと振られることもあれば、自分探しをしたいと振られることもあるし、最悪なパターンは自信を無くして病んでしまわれること。(タイ編参照)

憧れと夢と現実。それをどう繋ぐかは人それぞれなんですよね。

夫と出会った頃の私はまだそれを分かってはいなかったけれど、私に関係なく自分の夢に向かって走っていってくれるこの人なら、私の全力応援に怯むことは無いのかも知れないと、この時思ったのでした。

ちなみに私の「憧れ」は、喋って人を楽しませたり笑わせたりできる芸人さんです。私の妹がそういうタイプだったので、昔からずっと妹の様になりたいと思っていたのですが、頑張っても私には無理だということをトーク番組風Youtubeにチャレンジしてみて思い知りました。喋ること自体は好きだし楽しいと思えるんですが、喋ってるところを人に見られてるという事に対するストレスが半端なかったです。

 

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文・漫画/久保木亜紀