SNSやブログで発信をし続けるには、インプットが不可欠です。アウトプットが上手な人は、インプット上手でもあります。そこで今日からは、「インプット上手になる」ちょっとしたヒントをご紹介します。まずは、取材の超基本である「インタビューの心得」です。話を聞くことに苦手意識がある方ほど、ぜひ試してみてください。

「聞き上手」と「インタビュー上手」は違う。日常の中の小さな取材【WEB文章術】_img0
 


取材が盛り上がったときほど記事がつまらない


私自身がもともとあまり社交的で人懐っこいタイプではないゆえに、編集者になったばかりの頃、初対面の人に話を聞くのがとても苦痛でした。せっかく憧れの作家さんや俳優さんにインタビューする機会があっても、緊張して普段以上にリアクションが薄く……。まったく話が盛り上がらないことに悩んで、当時の編集長に相談したらこう言われました。

「インタビューは盛り上がる必要ない。現場が和気あいあいと会話が楽しく盛り上がったときほど、原稿がつまらない」

 

それはつまり「聞くべきことがちゃんと聞けていて、原稿にまとまっていれば、その場の雰囲気がどうであったか、あなたが相手にどう思われたかは関係ない。むしろ、相手に気に入られたい気持ちがまさって、現場の雰囲気に飲まれてしまった時ほど、薄っぺらい記事になる」という教えでした。

うわ〜、厳しい指摘だなあとその時は面くらいましたが。それ以来「聞くべきことが聞けていればいいんだ」と取材相手やその場の雰囲気に怯えなくなりました。