子供の頃から料理が大好きなアクセサリー作家・山本亜由美が、日々アトリエにこもって、知らない味や大好きな味の再現にトライする「食いしん坊レシピ」がスタート! 
あるときは1人で。スタッフや友人がいるときは2人で。
簡単で美味しくて、素材の組み合わせも楽しくて。
足したり引いたりが簡単なご飯をご紹介しようと思います。

 


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「里芋の葱油炒め」なるものを初めて食べたのは世田谷の町の中華屋。トロトロマッシュ状の里芋が香ばしい青ネギの油で炒めてあるだけのものなんです。
ここは鳥のスープが少し入っていて旨味のあるタイプでした。
また別の中華店で食べた時は里芋の形が残っていて周りはトロトロ、味付けは凄くシンプルで塩と油のみ。マヨネーズを入れるバージョンもおすすめです。
何回か作って見て、顆粒の鶏ガラスープよりは鶏を茹でてその茹で汁で水分を足したほうが優しい旨味で美味しいし、油も香りの強すぎないものの方が里芋の癖をちゃんと感じられる気がしました。
ただ、トロトロゆえに箸でこそいで食べるのが面倒臭い! そこで考えたのがトロトロを春巻きで包んでしまうことでした。
しっかり味付けもシンプル味付けも、形ありも形なしも、全てを包みこむ春巻き、今回はシンプルな味付けにして、醬で楽しむ形にしました。
先週の秋のおもてなしメニューから今日は里芋の春巻きに赤ピーマン醬です。

 
<秋の休日おもてなしメニュー>

大根と干し椎茸と干し貝柱の薬膳スープ
栗の八角茹で
くだものの白和え
ズッキーニのジョン
焼きキノコのマリネ
漬けカツオと薬味のサラダ
里芋の春巻きに赤ピーマン醬他にもあれこれ

 

里芋の春巻き

 

材料(作りやすい量)

・里芋 今回は皮つきで500gほど使用
・長ネギの白い部分 15cm分
・塩 適量
・太白ごま油 適量
・水(鶏の茹で汁でも) 適量
・春巻きの皮 大 10枚
・揚げ油(米油) 適量

*お好みでコク出しにネギと一緒に少量のベーコンあるいは豚バラ肉を入れても美味しい。
*長ネギの代わりにたっぷりのアサツキにすると味わいが強くなります。また炒め終わりにパクチーの茎をみじん切りにして入れても。
*醬ではなく花椒塩で食べたり、醤油マヨネーズで食べるのも美味しい。

作り方

1 里芋を電子レンジで加熱し、皮を剥きフォークで荒く潰す。ここで水を加え柔らかめのもったりした状態にしておく。

 

2 多めの油に長ネギのみじん切りをいれ中火で炒める。香りが出たら里芋を入れ、油となじむよう柔らかもったりとなるようにフライパンを回しながら炒め、柔らかもったりとした状態を目指し、足りない時は水を足す。
*写真はベーコンとパクチーの茎が入っています。

 

3 火を消してから塩でしっかり味付けをし、ボウルなどに移してしっかり冷ます。(冷める巻きやすくなります。)

 

4 春巻きの皮に約40gづつ巻いて、きつね色に揚げる。

赤ピーマン醬

 

材料(作りやすい量)

・赤ピーマン 4個   
・豆板醤 大さじ1強(お好みで調整を)      
・塩 適量 
・太白ごま油  適量

作り方

1 多めの油にみじん切りにした赤ピーマンを入れ弱めの中火で炒める。

 

2 ピーマンの張りがなくなりしっかり油が馴染んだらハンドブレンダーでペースト状にする。

3 ペーストをフライパンに戻し、多めの油と豆板醤を加え香りが出るまで炒め油をなじませたら出来上がり。

 

4 塩は最後に味見をして足りない場合は足す。


ドレッシングのように油はしっかり多めを意識すると全体がまとまります。
このレシピだとしっかり辛めなので調整してください。
ピーマンの皮が残るのでハンドブレンダーにかけているのですが、最初に直火焼きをして皮を剥き、それから刻んで同じように作っても焦げの香りと甘みがまして美味しいのですが、今回はフレッシュな感じを楽しむ醬にしました。
むかし腸詰と一緒に食べるために考えた醬なのですが、最近は腸詰を食べる機会があまりなく揚げ物に添えたり、これでエビチリを作ったりしています。


さて、実はわたしは里芋にちょっとアレルギーがありまして、食べる分には問題ないのですがヌメヌメを触ると痒くてしょうがなくなるのでいつも気を使いながら調理します。
またハス芋は食べると喉がイガイガと痛くなります。
昔から蕁麻疹(じんましん)がよく出る体質でしたから気になって調べたのですが、これは、アレルギーというよりは「シュウ酸カルシウム」という成分によるものらしいのです。この結晶は目には見えない細かな針のような形をしていて、生の里芋の皮付近に多く存在するらしいのです。
この針が皮膚に刺さるため、痛い! 痒い! となるのです。
全く感じない人もいるし、わたしのように敏感な人もいる。
とりあえず電子レンジでチン! してから触ればかなり軽減されるので、もし同じように苦手な方がいたらしっかり加熱 & 手袋すれば怖くない! ですね。

撮影・文/山本亜由美 構成/藤本容子


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