犯罪者であっても、「存在するのはいいこと」なのか


人を傷つけ、迷惑をかける犯罪者であっても、「存在するのはいいこと」だと言えるものなのでしょうか。
これは、とても難しい問題です。直接被害を受けた人などからしたら、到底、受け入れられないことでもあるでしょう。
本来は、全ての人が存在するだけで価値があるし、そうでなければ、人智を超えた力で生れてはこないはずです。でも、それを信じられない自尊心の低い人は、犯罪に手を染めてしまいやすいところがあります。
なぜなら、自尊心の低い人は、自分を大切にできません。だから、人のことも大切にできません。そして、自己を否定し、社会に不満を持ち、人に苛立ちを覚えてしまうと、「破壊」という行為を犯してしまうことがあるのです。
そして、このような悪循環を生み出してしまうのです。
「自尊心が低い(自己肯定できない、劣等感が強い)」→「争いごとやトラブルを起こす」→「失敗しても、反省しない(失敗を認めるのが怖い)」→「さらに失敗を繰り返す」→「さらに自尊心が低くなる」
本来は価値のある人たちが、一体、なにをしているのか、という話なのです。

 

これは、 “自尊心の低い人が多い社会”を作っている私たちにも、少しは責任があると言えるでしょう。現代は、学歴を競い、出世を争う競争社会によって、自尊心を傷つけられてきた人たちが多すぎるのです。
ただし、「鶏が先か、卵が先か」の話になりますが、そんな世知辛い社会でも、心を腐らせないために大切なのが、絶対的な自分への信頼感であり、自尊心です。
たとえ「あなたなんて、いないほうがいい」と言われたとしても、「自分はダメな人間だ」と思わず、「いやいや、どこかには、自分が役立てる場所があるはず」と前向きに自分を肯定できる強さを持つことが、悪い方向に進むのを留まらせるのです。

だから、なるべく多くの人が、自尊心を高めていくことが大切です。それにより、争いやトラブルが減ってくるし、たとえ失敗しても改善を試みるため、二度と同じ失敗はしにくくなります。そうすることで、あらゆることが好循環に変わっていくのです。
そのためにも、まずは自分自身が変わるのはもちろんのこと、自分以外の人たちにも「あなたはただただ存在しているだけで、価値があるのだ」ということを認識させ、自尊心を高めさせていくことが重要なのでしょうね。

前回記事「「私を分かってという圧がすごい...」人付き合いが下手な人にありがちな2つのパターン」はこちら>>