「ツギハギ修正」をやめて「ゼロから書いて」みる
「読めたもんじゃない」と先輩に目の前で原稿用紙をビリビリ破って捨てられた……とか、怖い先輩編集者たちの思い出話を聞くことがあります。最近の編集部は、そんなドラマみたいなことはありません。今や紙の原稿用紙で提出することもほぼなく、メール添付ですから、MacBookをへし折られたりすることはあるかもしれません。(いや、ないです!)
パワハラまがいのスパルタ指導は時代遅れだし、よっぽどのことがないとゼロから書き直しを命じられることはありません。部分的な修正指示で、世に出せるレベルに持っていこうとする指導者が多いと思います。「全面書き直しと言われない」これが意外にも、文章力飛躍のチャンスを失う原因かもしれないと思っています。
なぜなら、部分的な修正指示を繰り返すと、最初より悪くなることが多いからです。元の文は元の文の流れで、(自分なりに最適な)話の展開やリズムで構成されています。コピペと削除を繰り返し、「ツギハギ修正」をすると、文章の繋がりが悪くなったり、1文がすごく長くなったり、かえってぎこちない文章になってしまうんです。
そこで私は、赤字・修正指示の入ったWordを上書き修正するのではなく、新しいWordシートを立ち上げて、最初から打ち直すやり方に変えてみました。上書き修正だと近視眼的に赤字だけ直しがちなんですが、イチから打ってみると自分の文章を客観的に読むことができます。
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