書きたいことは決まっているのに、書き出しに悩んでなかなか書き始められないことはありませんか。今日は、この“書き出せない症候群”の処方箋をお届けします。

書き出しは凝らなくていい。“ありきたり”に書き出して後でつまむ【WEB文章術】_img0
 


書き出しよりも書き出すことが大事


文章術の本やWEBライティングの記事では「最後の一行で読者の心を掴むべし」「読ませる文は書き出しが命」とよく解説されています。半分正しくて、半分正しくないと今は思っています。

 

自分の書いたものに興味を持ってもらうには、最初が肝心。おぉ! と思わせる一文目を書かなくてはと思うほどに、悩んで筆が止まってしまう……私がまさにそうでした。Wordを立ち上げたまま、シーン。ちょっと打っては消し、打っては消し……。

書き出しは凝らなくていい。“ありきたり”に書き出して後でつまむ【WEB文章術】_img1
 

そんな状況を抜け出す術を教えてくれのが、コラムニスト小田嶋隆さんの著書『小田嶋隆のコラム道』の「書き出しについてのあれこれ」という章です。

「書き出しにおいて最も重要な要素は、書き出すというアクションであって、書き出した結果ではない」

とありました。気の効いた一文目を書かなくてはとムダに気負っていた私に目を覚まさせてくれて言葉でした。

さらにこう続きます。

「読む側の目で見れば、書き出しは、最初の数行であるにすぎない。いずれにしても、書き手がこだわっているほど重要な要素ではないのだ」

そうなんです。この読み手と書き手のギャップを知ることが、書き出しへの気負いを外してくれるカギでした。