不調の時期を上手にやり過ごすには、
生活習慣を見直しましょう。
閉経後の対策にもなりますよ

 

更年期の症状を少しでも軽くするには、生活習慣の見直しも欠かせません。
基本的なことですが、大事なのはやはり、食事、運動、睡眠の3つを整えることで、これだけでも更年期症状はかなり軽くできます。

 

エストロゲンがなくなる閉経後には、ただでさえ生活習慣病などの病気を発症しやすくなります。生活習慣をいきなり大きく変えることは難しいため、更年期に差し掛かる頃から生活習慣を見直しておくことをおすすめします。

まず、食事に関しては、筋肉や臓器など体を作る材料となるたんぱく質はもちろん、糖質、脂質もバランスよく摂り、野菜やきのこ類や海藻類などからビタミン、ミネラル、食物繊維を摂ることが理想的。
大豆イソフラボンが含まれる大豆食品も積極的に摂るとよいですね。

 

ただし、現代は飽食の時代で、基本、食べ過ぎ傾向にあります。肥満になると生活習慣病になりやすくなるので、まず太らない食事を心がけることが大切です。
夜は活動量が減る時間なので、夜の食事の量を少し減らすようにして、食べ過ぎを防ぎましょう。

次に、運動に関してですが、適度な運動は、更年期に起きやすい不眠やうつの改善にいいことがわかっていて、自律神経のバランスを整える効果もあります。
激しい運動をする必要はなく、ウォーキングやヨガなどの適度な運動がおすすめです。


そしてもうひとつ重要なのが睡眠です。
日本人は世界の中でも特に睡眠時間が短いというデータがありますが、更年期の女性は仕事面でも責任を抱えた忙しい人が少なくなく、睡眠時間が足りていない人がとても多いようです。
睡眠不足だと、ただそれだけでもイライラしやすくなったりと、メンタルの不調も起きやすくなるので、7時間は寝るのがおすすめです。

 

夜はなるべく早めに休み、朝は毎日同じくらいの時間に目を覚まし、起きたら朝日を浴び、日中は適度な運動を取り入れて体をよく動かす。
こういった規則正しい生活には自律神経のバランスを整える効果があって、更年期の不調の改善につながります。

このような生活習慣はごく当たり前のことですが、これがなかなかできないもの。
更年期の不調が出始めたら、自分の生活を見直すいい機会だと思って、まずはできることから変えていきましょう。
 

取材・文/和田美穂
イラスト/Shutterstock


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