女性のメンタルは、産後と更年期に
大きく揺さぶられます

 

私たちの人生は、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)によって体だけでなくメンタルも大きく揺さぶられますが、特にうつっぽくなりやすいのが産後と更年期です。
エストロゲンには抗うつ作用があると考えられており、産後も更年期もエストロゲンの分泌量が減るので、その作用が発揮できなくなりうつ状態になりやすいわけです。

女性の方が男性の2倍もうつ病を発症することが知られており、さらにこのコロナ禍においては、女性を取り巻く環境の不安定さが、女性のメンタルダウンに少なからず影響を及ぼしていると考えられます。

 


エストロゲンが減る産後と更年期はうつになりやすい


そして女性が特にうつになりやすいのが産後と更年期です。
産後は、次の生理が戻る頃まではエストロゲンがほとんど分泌されない、いわば閉経後と似た状態と言えます。つまり産後と更年期のうつは、エストロゲンが守ってくれていた心を守れなくなったことで起こるわけです。
まずは、この時期はメンタルダウンしやすいことを知っておきましょう。

 


メンタルダウンした場合の対策を知っておこう


対策としては、更年期におけるうつ状態ならHRT(ホルモン補充療法)でエストロゲンを足すことで改善が見込めます。

一方で、産後うつ病については、なかなかうつ状態であることに本人や周囲が気づかず、治療をはじめるきっかけがないため予後がよくないことが知られています。なにかできることはないかといえば、授乳の機会が減ればエストロゲンの分泌が早く戻るので、授乳頻度を減らすのもひとつの対策です。
さらに産後は、授乳や赤ちゃんのお世話で夜間の睡眠が細切れになりやすいですが、睡眠時間の不足はメンタルの状態を悪化させるので、パートナーや家族の協力も得て十分に睡眠時間を確保することも大切。

また、更年期にメンタルの不調が起きやすいのは、この世代は、親との死別や、子どもの独立などといった、心がポキッと折れてしまうような喪失体験をすることが多いのも理由のひとつです。ただ、例えば子どもの独立などは、自分の自由な時間が増えるという前向きなとらえ方もできるので、心の持ち方次第ともいえるでしょう。

 
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